博物館情報庫
考古(本山)海外・参考資料
2010.04.24
紫禁城瑠璃瓦(中国 清)
しきんじょうるりがわら(ちゅうごく しん)
黄色の釉薬のかかる軒丸瓦と軒平瓦の「瑠璃(るり)瓦」で、中国皇帝の象徴である5本指の龍が型押しされている。清代でこの瓦は、皇帝とその家族が住む紫禁城や離宮にのみ使われた。
龍は、皇帝の象徴の龍が5本指で、その他はすべて3本指の龍として表される。中国で根強い陰陽(いんよう)五行(ごぎょう)思想では、黄色を物質の根源である「土」の色と考えることから、明から清代には、黄を皇帝の色として、臣下や庶民が使用することは許されなかった。
この瓦は本山コレクションの一部であり、清代末期から中華民国初期の混乱期に、紫禁城から流出したものと考えられる。