博物館情報庫

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考古
2010.04.24

車鑾(中国 西周)

車 鑾(中国 西周)

しゃらん(ちゅうごく せいしゅう)
 

 鑾(らん)は、馬車に取り付ける鈴である。鎬(こう)京(けい)(現在の西安)に都があった西周時代(紀元前11世紀〜紀元前8世紀)、二頭または四頭立で馬車の軛(くびき)に装着された。円形の中央部分が鈴で、四角柱部分が装着部となっている。
 鈴内には丸玉が入れられ、馬車が走行する際に音を出し、馬車に乗った人物の威儀を顕示するよう使われた。
 殷から周代には、貴人を乗せるための貴賓車や、兵員を乗り込ませた「戦車」が一般的で、個人が馬に直接騎乗することは少なかった。
 この車鑾は、明治時代の官僚・貴族院議員であった神田孝平の所蔵であったが、本山彦一が末永雅雄名誉教授に贈り、関西大学にもたらされたものである。