笊(ざる)形土器は、竹や柳などで編んだ編笊(あみざる)の内側に薄く胎土(たいど)を貼りつけて焼成したもので、この土器の外面にも笊目の痕跡が残っている。本笊形土器は、大阪府藤井寺市国府(こう)遺跡からの出土品で、幅3ミリほどに割いた竹で網代(あじろ)に編んでいることが確認できる。こうした土器は、古墳周辺の住居や溝からの出土例が多く、古墳祭祀との関係が推定されている。古墳時代前期