博物館情報庫
考古(本山)海外・参考資料
2010.04.17
ラテン語碑文
らてんごひぶん
ラテン語は、もともとローマ帝国の公用語であった。ローマ帝国滅亡後もローマ・カトリック教会の公用語となり、今日の西ヨーロッパに相当する地域において、長らく権威をもった書き言葉として用いられた。現在でもバチカン市国やカトリック教団内の公用語は、ラテン語である。
紀元前1世紀頃から紀元後2世紀頃まで、古代ローマで実際に使われていたものを「古典ラテン語」という。大文字のみを用い、単語ごとに空白を入れる分かち書きの習慣はなかった。ラテン語碑文を見ることで、古代遺跡についての理解はさらに深まる。
現在のロマンス諸語(イタリア語、フランス語、ルーマニア語、スペイン語、ポルトガル語など)は、このラテン語に由来する。またドイツ語・オランダ語・英語などのゲルマン諸語にも、文法や語彙の面で多大な影響を与えている。