博物館情報庫

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八十島コレクション
2009.04.20

ガンダーラ仏伝浮彫

ガンダーラ仏伝浮彫a ガンダーラ仏伝浮彫b

ガンダーラ仏伝浮彫(うきぼり)
(パキスタン 紀元3〜4世紀)


aは小型ストゥーパの胴部を荘厳した、石製浮彫の一片。図像は、ほぼ中央部の樹下に頭光をつけ、左手上の鉢に右手を入れた姿態の釈迦が坐し、その左側には両手で供物を入れた鉢を捧げ持つ2人の女性を、同じく右側には釈迦とほぼ同じ姿態で頭部を欠損した2人の小坐像を表現する。仏教美術における説話には、釈迦の前世の物語である本生(ほんじょう)と、釈迦の生涯を綴った仏伝(ぶつでん)があるが、本例はおそらく釈迦の苦行の放棄に続くスジャータの「乳糜(にゅうみ)(ミルク粥)供養」の場面で、成道前後の仏伝諸相の一部であろう。bは断片である。