博物館情報庫
民俗
2010.05.01
ピッケルハウベ 衝角付ヘルメット(バイエルン)
ぴっけるはうべ しょうかくつきへるめっと(ばいえるん)
スパイク付硬質皮革製ヘルメットで、ドイツ帝国陸軍バイエルン地方予備役連隊の紋章がある。
20世紀はじめの中央ヨーロッパでは、軍事の主力は騎兵であり、その攻撃から頭部を保護するために、歩兵などが着用した。軽量で扱いやすく、紋章や飾り金具が自由に装着できる利点がある。
第1次世界大戦以降に機関銃や大砲が発達すると、前線部隊の兵士用として急速に鉄製ヘルメットが普及し、しだいに装飾もなくなった。
軍事的な意味はなくなったが、その威儀ある形状から、今もイギリスやスウェーデンなどでは、警察官や消防隊員、儀仗兵(ぎじょうへい)などが、儀礼正装として着用している。