化学生命工学部

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化学生命工学部 岩﨑 泰彦 教授が日本バイオマテリアル学会において日本バイオマテリアル学会賞(科学)を受賞

氏名

岩﨑 泰彦

所属

化学生命工学部 化学・物質工学科

受賞年日

2020年11月30日

大会・団体名

日本バイオマテリアル学会

受賞名

日本バイオマテリアル学会賞(科学)

研究テーマ等

リン酸エステル系ポリマーの精密構造設計とバイオマテリアル応用

賞の概要

 日本バイオマテリアル学会は、生体に使用する材料およびその応用に関する科学・技術を発展・向上させることを目的とし、1978年12月4日に設立されました。医学、歯学、工学、理学、薬学、生物学などをつらねた学際領域の確立を目指し、会員もこれらの分野に携わる全国の大学、国公立研究機関、企業の研究者を中心に広い専門分野の人たち(会員数約1、400人)で構成されています。日本バイオマテリアル学会賞(科学)は、本会会員でバイオマテリアルの科学に関する独創的かつ優れた業績を挙げた者に授与されます。
 岩﨑泰彦教授は双性イオン型リン脂質ポリマーを基軸としたバイオマテリアル研究に着手して以来、生体分子に想起されたリン含有ポリマーのバイオマテリアル利用に関する研究を遂行してきました。高度な防御機構を備えた生体と接触するバイオマテリアルを設計する上で、生体分子の構造に倣い分子設計することの有効性を双性イオン型ポリマーにより実証し、核酸の主鎖構造に着目した新たな分解性ポリマー、ポリリン酸エステル(PPE)の研究に着手しました。
2010年に世界に先駆けて報告したPPEの精密重合法は、現在世界で展開されているほぼ全てのPPE研究に採用されています。また、溶解性、熱特性、温度応答性など、従来の分解性ポリマーと異なるPPEのユニークな物性に関する多くの知見を得ました。さらに、ある種のPPEが高いミネラル親和性を示すことから、ここ数年、PPEを骨治療薬に繋げる試みを進め、PPEが骨系細胞の分化に影響を与えることや、動物実験においてPPEが骨に集積することも明らかにしました。以上のようなリン酸エステル系ポリマーを基軸としたに関する研究成果が評価され、日本バイオマテリアル学会賞(科学)が授与されました。

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