賞の概要

一般社団法人繊維学会（会員数約1,500名）は，繊維に関連ある学理とその応用の進歩普及をはかり，学術，文化および産業の発展に寄与することを目的として1943年に創立された。宮田隆志教授は，動的架橋（可逆架橋）として分子複合体を利用することにより，タンパク質などの標的分子に応答して膨潤や収縮する分子応答性ゲルを世界で初めて合成し，新しいゲル材料としての基礎と応用に関する研究を行った。このように，繊維材料として重要なゲル研究において分子応答性ゲルのパイオニアとして新領域を開拓し，その基本概念を確立すると共に，系統的に研究を行ってきた。その成果は基礎および応用の両面から繊維科学・技術の発展に大きく貢献してきたことから，繊維学会賞を授与された。