化学生命工学部

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化学生命工学部 石川正司教授が公益財団法人加藤科学振興会において加藤記念賞を受賞

氏名

石川 正司

所属

化学生命工学部

受賞年日

2024年09月06日

大会・団体名

公益財団法人加藤科学振興会

受賞名

加藤記念賞

研究テーマ等

極限環境下用イオン液体蓄電池の開発

賞の概要

公益社団法人加藤科学振興会は、わが国の電気化学工業の発展と創造科学教育の育成に貢献された故東京工業大学教授加藤与五郎博士が文部省の許可を得て、昭和 17 年 2 月 24 日に設立された財団である。本財団の目的は、創造科学に関する学術研究の奨励と創造科学教育の振興を図ることにある。 電気化学会や本財団の役員などが推挙した顕著な科学的研究成果あるいは功績を挙げられた人々の中から、当財団の選考委員会が受賞候補者を選定し、理事会が承認した方に対し加藤記念賞として顕彰される。 2019年ノーベル化学賞を受賞された吉野彰氏も2013年に本賞を受賞している。ノーベル賞候補とされる橋本氏(光触媒)、宮坂氏(太陽電池)、藤島氏(光電解)、遠藤氏(カーボンナノチューブ)らも本賞の受賞者であり、世界的にも卓越した科学技術者が受賞者となっている。

石川正司教授は、「イオン液体電解液ではLIB負極のLi充電が困難で不可逆反応も起こるため、LIB作動は困難である」という21世紀初頭の常識を打破し、負極を完全作動させることに成功し、イオン液体LIBの作動を初めて可能にしたのみならず、宇宙用電池として大学衛星やJAXAロケットに正式採用され、高信頼性の宇宙用電池の実現に至る成功を収めている。また同氏の電池は2007年からのNEDO Li-EADプロジェクトにおいて、HEVスペックを満たす「世界初のイオン液体電池」としてNEDOブースでも展示され、高粘度のイオン液体電解液が高速作動できるという、従来の常識を覆した実証も行った。最近はJAXAロケットのみならずJAXA探査プロジェクトの月面基地用電池としても共同開発を進めている。このようなイオン液体の特質に着目した数々の斬新な電解液系の開発と提案は、日本発の電気化学技術とその実証として非常に価値が高く、加藤記念賞の受賞にいたった。

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