化学生命工学部

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理工学研究科 瀬古 文佳さんが第41回日本バイオマテリアル学会大会において優秀研究ポスター賞を受賞

氏名

瀬古 文佳

所属

理工学研究科 化学生命工学専攻 化学・物質工学分野(機能性高分子研究室)

受賞年日

2019年11月26日

大会・団体名

第41回日本バイオマテリアル学会大会

受賞名

優秀研究ポスター賞

研究テーマ等

可溶性分子ネットを用いた新規な温度応答性ゲル作製法の開発と物性評価

賞の概要

日本バイオマテリアル学会が主催した第41回日本バイオマテリアル学会大会において、「可溶性分子ネットを用いた新規な温度応答性ゲル作製法の開発と物性評価」に関する標題の研究で、合計219件のポスター発表の中から優秀研究ポスター賞を受賞した。
近年、優れた力学物性を示す様々なゲルが報告されており、その代表例として、環動ゲルやダブルネットワーク (DN) ゲルなどが挙げられる。我々は最近、環動ゲルやDNゲルと類似の構造的特徴を有する新規なゲルの作製方法を開発した。具体的には、溶媒に可溶で十分な網目径と網目数を持つ三次元網目構造体 (分子ネット、Molecular Net、 MN) を作製し、このMN溶液中で第 2 モノマーを重合すると、この時生成する高分子鎖がMNの網目を何度もくぐり、分子鎖の物理的拘束による架橋構造が十分に生起することでゲルが得られることを見出した。一方、ある温度を境に親・疎水性が劇的に変化する高分子は温度応答性高分子と呼ばれ、バイオマテリアルやドラッグデリバリーシステムの研究に頻繁に使用されている。本研究では、重合物が下限臨界溶液温度 (LCST) を示すN-isopropylacrylamide (NIPAAm)をMNを用いたゲル作製時の第2モノマーとして用いることで、温度応答性を付与したゲルの作製を試みた。得られたゲルは化学架橋ゲルと比較して相転移温度の低下や、膨潤率の増大に加えて、温度応答速度が速くなるといった非常に興味深い物性を示すことが明らかとなった。

指導教員

大矢 裕一

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