理工学研究科 眞弓 のぞみさんが第41回日本バイオマテリアル学会大会において優秀研究ポスター賞を受賞
氏名
眞弓 のぞみ
所属
理工学研究科 化学生命工学専攻 化学・物質工学分野(機能性高分子研究室)
受賞年日
2019年11月26日
大会・団体名
第41回日本バイオマテリアル学会大会
受賞名
優秀研究ポスター賞
研究テーマ等
生分解性インジェクタブルポリマーゲル内における 脂肪由来幹細胞の多能性保持と分化制御
賞の概要
日本バイオマテリアル学会が主催した国内学会 第41回日本バイオマテリアル学会大会において、「生分解性インジェクタブルポリマーゲル内における脂肪由来幹細胞の多能性保持と分化制御」に関する標題の研究で、合計219件のポスター発表の中から優秀研究ポスター賞を受賞した。
生体外 (室温) ではゾル状態を示し、生体内に注入すると体温に応答してin situでヒドロゲルを形成する温度応答型インジェクタブルポリマー(IP)は、 組織再生用足場材料への応用が期待されている。我々はこれまでにPCGA-b-PEG-b-PCGA (tri-PCG)を基盤とし、その利便性向上等について報告してきた。また最近では、 物理架橋ゲルを形成した後に共有結合ゲルへと移行し、体内で長期間ゲル状態を維持できるIPシステムを開発した。このIPシステムは、 架橋形成成分の添加量を変えるだけで、体内でのゲル状態の維持期間を自在に制御することが可能である。一方、脂肪由来幹細胞 (AdSC) は入手が容易な幹細胞ソースとして注目されており、我々はAdSCをIPゲル内に封入して体内にデリバリーすることによる再生医療の実現について検討している。近年、弾性率の異なるマトリックス上で幹細胞を培養すると、 その弾性率の違いによって異なる細胞へ分化することが報告されており、 AdSC等の幹細胞の多能性を利用して再生医療を行う際には、 IPゲル内ではAdSCの多能性を保持し、必要時に外部因子によって狙った細胞に分化させることが可能なシステムの構築が望まれる。本研究では、 架橋度を変えた化学架橋型IPゲル内でAdSCを培養し、未分化性の保持に成功したことを確認した。さらに、 ゲル中のAdSCが多能性を維持していることを確認するため、 骨芽細胞への分化誘導を行った。
指導教員
大矢 裕一