化学生命工学部

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理工学研究科 田中静磨さんが日本化学会生体機能関連化学部会若手の会サマースクール2016において優秀ポスター賞を受賞

氏名

田中 静磨

所属

理工学研究科 総合理工学専攻 化学・物質工学分野(機能性高分子研究室)

受賞年日

2016年07月16日

大会・団体名

日本化学会生体機能関連化学部会若手の会サマースクール2016

受賞名

優秀ポスター賞

研究テーマ等

PEG-DNA共重合体を用いたDNA四重鎖ゲル形成についてのpHの影響

賞の概要

 表記学会において,全58人のポスター発表者から3人のポスター賞の受賞者に選出された。本発表では,中性条件で形成されるDNA4重鎖を架橋点としたゲルの開発にした結果を報告した。これまでに我々は,DNAの液相大量合成法を応用して,PEG鎖の末端にデオキシグアノシンを3塩基もしくは4塩基伸長したヒドロゲル調製用のマクロモノマーを合成し,K+, Na+に応答して瞬時にゲル化するグアニン四重鎖構造を架橋点とする新しいヒドロゲル材料の開発に成功した。しかし,このゲルは,通常の実験系で用いるよりも1000倍以上も高い濃度のDNAを使用しているため,リン酸基部分を適切に中和しなければマクロモノマーを緩衝液に溶解した際,その緩衝能を越えた高い酸性を示すという問題点があった。低pH条件では,グアニンの7位がプロトン化されて四重鎖構造が不安定化する,加熱により容易に脱プリン化が起こるといった可能性がある。そこで本研究では,ヒドロゲル調製用のマクロモノマーのリン酸基部の対イオンをH+からグアニン四重鎖構造形成に関与しないLi+に変えることで,中性のゲルを開発した。特に,調製したゲルの物性評価を行い,従来の酸性条件のヒドロゲルと熱力学的安定性や貯蔵弾性率を比較し,興味深い結果を得た。

指導教員

大矢 裕一

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