団地再編養成セミナー

関西大学 文科省戦略的研究基盤形成支援事業 - KSDP 団地再編プロジェクト -

団地再編専門家養成セミナーの開催にあたって

今から40年前、日本の都市化がはじまった時代以降、各地に多くの公的な集合住宅が供給され、その数は、現在、旧公団住宅が77万戸、公営住宅が220万戸にも達します。これらの公的な住宅は多くの場合、団地という形で建設されました。 それらの住宅は、建設時期や立地条件を勘案して、建て替えが進められていますが、多くは「ストック活用」、つまり、建て替えをしないで活用していくことになっています。「建て替えをしないで活用していく」ためには、団地を「まち」として持続させていくことが必要になります。このことを私たちは「団地再編」と呼んでいます。この「団地再編」を展開していくためには、専門家が必要です。 そこで関西大学は、これまで3年間「団地再編」について検討してきた成果を踏まえ、下記のような専門家養成セミナーを実施することにしました。通年全20 回のセミナーで、前半が「団地原論シリーズ」10 回、後半が「団地再編シリーズ」10 回です。このセミナーを受講することによって、「団地および団地再編」にかかる基本的な知見を得ることができます。奮って、受講されることを期待します。

2014年3月
関西大学 文科省戦略的研究基盤形成支援事業 KSDP 団地再編グループ
江川 直樹(プロジェクト・リーダー)
鳴海 邦碩
岡 絵理子

団地再編専門家養成セミナーの詳細

対象受講者 ・一般(地方自治体職員、UR職員、住宅公社職員、その他):20名程度
・大学院学生(建築系大学院所属が望ましい):10名程度
セミナー期間 『団地原論シリーズ』
2014年5月17日~7月5日(原則隔週土曜日の午前90分・午後90分)
10:30~12:00、13:00~14:30

『団地再編シリーズ』
2014年10月11日~11月22日(原則隔週土曜日の午前90分・午後90分)
10:30~12:00、13:00~14:30*(*10/11 のみ、13:00~14:30、14:40~16:10)
場所 関西大学千里山キャンパス 尚文館(大学院棟)508講義室
受講料 無料
受講申し込み先 関西大学 先端科学技術推進機構 地域再生センター
KSDP 団地再編プロジェクト 岡絵理子
申し込み締め切り 2014年5月10日(定員になり次第締め切り) 終了しました

カリキュラムの日程・詳細

『団地原論シリーズ』

5/17
団地原論①
集合住宅団地の誕生と世界への普及(鳴海邦碩)
~郊外の発生、田園都市、住宅計画のモダニズム、ニュータウンと団地
5/17
団地原論②
社会制度と集合住宅団地(鳴海邦碩)
~自由主義経済と社会主義経済、ニューヨークの集合住宅団地
5/31
団地原論③
3公住宅の成立と集合住宅団地の開発(岡絵理子)
~前期の営団、戦後の公営、公団、公社住宅、位置づけの日本的特徴(ヨーロッパ等の社会住宅との違い)
(注:3公とは公団、公営、公社のこと、以下同じ)
5/31
団地原論④
集合住宅団地の日本での展開(岡絵理子+鳴海邦碩)
~市街地内および縁辺部での開発から郊外開発へ、ニュータウン、地域開発
6/14
団地原論⑤
丁寧な空間づくりから規格化・工業化・量産化(三井所清典(アルセッド))
~公的住宅団地における建築家の試み、規格化の展開、プレファブ集合住宅、大規模開発
6/14
団地原論⑥
多様な団地管理の仕組み(川端宏幸(兵庫県住宅供給公社理事長)
~公営、公団、公社の住宅管理、管理の外部化、家賃闘争、団地と政治集団
6/28
団地原論⑦
住宅市場における3公住宅の位置づけ(森山秀二(BA)+鳴海邦碩)
~賃貸住宅市場の多様化、3公住宅の役割の変化、住宅のセーフティネット
6/28
団地原論⑧
社会潮流の変化と3公住宅団地の再編への取組みの実態(田邉豪二(UR西日本支社)+江川直樹)
~少子高齢化、人口減、ストックの状況、建て替え・改善の実態
7/05
団地原論⑨⑩
まとめのディスカッションと講師・受講者による意見交換、交流会

『団地再編シリーズ』

10/11
団地再編①
公共住宅政策の国際比較から(平山洋介(神戸大学))
~低所得者層、階層ミックス、コミュニティ、職業教育、米・英・仏など
10/11
団地再編②
ヨーロッパにおける団地再編の空間的手法(大坪 明(武庫川女子大)+江川直樹)
~英、仏、独、減築、ミックス、緑地活用
10/18
団地再編③
ライフスタイルと暮らしのニーズの把握(岡絵理子)
~高齢者、子育て層、新規来住者
10/18
団地再編④
元気な暮らしの生み出し方(岡絵理子)
~人と人のつながりデザイン、コミュニティ・デザイン
11/01
団地再編⑤
団地再編の考え方① 思いの編集と住環境(星田逸郎(星田逸郎空間都市研究所)+伴年晶(VANS))
~暮らしの活性化、絆を生み出す、コミュニティのまとまり、住宅外機能の導入
11/01
団地再編⑥
団地再編の考え方② 団地環境の評価と活かし方(井上洋司(背景計画研究所)+星田逸郎(星田逸郎空間都市研究所))
~守り活かす要素の判定、微気候、空き家解消、住戸、住棟、空地改善、DIY 導入
11/15
団地再編⑦
団地環境再編のケーススタディ(江川直樹+田邉豪二(UR西日本支社))
~建て替え、ストック活用、制度の再編
11/15
団地再編⑧
団地環境再編のケーススタディとガイドライン(江川直樹)
~目指すべき集住空間と再編のプロセス
11/22
団地再編⑨⑩
まとめのディスカッションと講師・受講者による意見交換、交流会

以下は団地再編専門家養成セミナーの詳細、カリキュラムをまとめたpdfファイルです(A4で印刷可)

 団地再編専門家養成セミナーチラシ.pdf [262.5 MB]


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