ワークショップ 2013年度 「エジプト文化財の危機と今後」


現在、エジプトの文化財は2011年に起こった革命後の混乱や、それに伴う国内情勢の悪化によって危機に瀕しています。貴重な文化財を守り、次世代へつなげていくためには、人材面、技術面、そして意識面など、様々な分野で文化財保護の在り方を変える必要があります。

2013年11月を中心に、関西大学国際文化財・文化研究センター(CHC)では、文化財の保全の在り方を巡って、エジプトのサッカラを中心に、村の住民、サッカラ遺跡の管理事務所の技術者、カイロ大学の研究者、そしてエジプト考古大臣をお招きしてワークショップを開催することとなりました。


本ワークショップは、以下の4つの部門に分かれています。

1. サッカラ村民グループ
日本とエジプトにおける文化財とその地域の結びつきを、より良い方向に結び付けるために、日本の古都である京都、奈良を訪れ、その文化財と地域の関わりから、遺跡・地域コミュニティについて、サッカラ村の住民と、当センター所属の研究者が意見交換を行います。
○マルズーク・アブドルワーヒド(サッカラ村民)
○サイード・アブカリーム(サッカラ村民)
○ユーセフ・アッワード(サッカラ村民)
○ファウジー・ゲネーディー(サッカラ村民)
○サミール・ハ-シェム(サッカラ村役場職員)
○バスマ・エル・カッティーブ(観光省職員)

2. サッカラ村遺跡管理事務所グループ
現地の管理局から、サッカラ遺跡の現状や、保存の課題の報告を行い、報告を基にした今後の具体的な対策の意見交換を行います。
○ハーニー・アフマド(考古最高評議会監督官)
○サブリ・ファラグ(サッカラ遺跡管理事務所所長)
○モスタファ・アブデル・ファッターハ(サッカラ遺跡発掘管理事務所修復部門責任者)
○ナーセル・ファルガニ(サッカラ遺跡管理事務所修復技術者)
○アシュラフ・ユーセフ(サッカラ遺跡管理事務所修復技術者)

3. カイロ大学グループ
当研究センターに所属する日本人研究者と、各分野に分かれて、活動の打合せや、共同研究を行います。
○マイサ・マンスール カイロ大学(カビ)
○サラーハ・エル・ホーリ カイロ大学(エジプト学)
○アフメド・シュエイブ カイロ大学(壁画修復)
○アーデル・アカリシュ NRC(地学)

4. 考古大臣
2011年の革命に伴う国内情勢の悪化によって危機に瀕しているエジプト文化財の現状の、より正確な報告と、エジプト考古省が現在、どのような対応を行っているのか、また、遺跡保護活動の現状に対して日本や世界が何をすべきかについて、考古大臣のモハメド・イブラヒム博士に話していただきます。


報告会・講演の案内

遺跡管理官による報告・意見交換会

「エジプト文化財修復の実践―サッカラを中心に―」

日時:平成25年11月19日(火)、20日(水)
場所:関西大学国際文化財・文化研究センター 講習室
(関西大学総合研究室棟2F)
使用言語:英語のみ

詳細はこちらをご覧ください。


エジプト考古大臣による講演

「エジプト文化財の危機と今後」

日時:平成25年11月26日(火)13:00-
場所:関西大学大学院棟 尚文館1F マルチメディアAV大教室
使用言語:英語のみ(通訳有り)

詳細はこちらをご覧ください。


皆様のご来場を、心よりお待ちしております。