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【フィールドワーク最前線Vol.2】 まちづくりの「現場」を学ぶ <三枝「専門導入ゼミⅠ」 ゼミ生からのリポート> |
December 20, 2007 |
私たちのゼミでは、「まちづくり」をテーマに近畿一帯の地域復興を調査しました。現在、”地域”の希薄化が進んでいる一方で、もう一度従来の”地域”を取り戻していこうとする動きに密着しました。
私たちの班では、「池田の祭り」をトピックとし「まちづくり」の様子を見ていきました。今回、池田市渋谷地区の渋生会、会長の小川剛さん、副会長の乾文雄さん、稲原孝さんにお話を伺いました。
この渋谷地区では毎年、”盆踊り”、”夏祭り”、”秋祭り”、”もちつき”、”大とんと”といった、たくさんの行事が行われています。特に”秋祭り”の起源は江戸初期、約300年の歴史があり、ずっと伝え続けられています。これらの行事を通して、町を活性化させ、従来の良き日本の姿を取り戻そうとしています。得るものも多く、300年の伝統を残していきたいという思いが、”大人と子供を繋ぐ”そして、それが”地域の繋がり”へと発展し、住みやすい町となる。祭りを通して、子供を含めた町内の人を知ることができ、大人は子供たちが良いことをしていたら褒め、時に叱ることができる。つまり、町全体で子供の健全育成ができるのです。これは地域が1つになっていなければできないことだと思います。
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政策創造学部1年次生
菊田 菜摘
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また、池田の祭りは岸和田のだんじり祭りのように、地元魂の強い祭りではなく、他の地域から住み移ってきた人たちも、その年から祭りに参加するなど、とても溶け込みやすい「まちづくり」も展開しています。近年は交換留学生として関西大学に来ている様々な国々の学生も、日本の文化を知る目的で、池田の祭りに参加しています。このように歴史ある日本の文化を伝える役割も果たしています。
渋谷地区では、商店街のような場所が存在しているわけではなく、祭りを通して「まちづくり」を展開していて、町内のみなさんはそれぞれに仕事を持っています。だが、「伝統を受け継いでいきたい」、「良い町にしていきたい」という意志から、時間を割き、負担がかかるけれども、”誇り”を持って地域の「まちづくり」に力を注いでいます。
今回、”祭り”という視点からの「まちづくり」を見ていったけれど、とても興味深く、いろんな発見ができたと思います。現在の世の中に一番大事なことが、この「まちづくり」ではないかと考えさせられるほどでした。これから、もっといろんな「まちづくり」を勉強していき、その知識を活用していきたいです。
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【ゼミ担当者からの一言コメント】
「コモンズ」を共通テーマにすえた秋学期の専門導入ゼミでは、地域住民が共同で一つの「資産」を管理したり守ったりしている事例について学んできた。学生たちには、まず6週間にわたって24本の関連論文と格闘してもらった後、5つの班に分かれて身近な事例を調査してもらった。調査地の選定から実施、結果の報告までをすべて学生たちの自主性に任せて行っている。政策創造学部では、文献から得た知識を絶えず現実の社会と結びつけるかたちで理解してもらいたいと考えているが、このゼミもそうした試みの一つである。
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