去る2007年7月14日(土)、ソシオAV大ホール(本学第3学舎4号館内)にて、
政策創造学部開設記念講演会が催されました。
今回は、本学客員教授、フランシス・フクヤマ教授をお招きして、「ブッシュ政権
後のアメリカ対外政策」と題する講演を実施いたしました。フクヤマ氏は、従来の
ネオコン(新保守主義)の立場から距離をとり、むしろ、ブッシュ政権を批判的に
捉える主張を展開されました。それは、世界でも突出した軍事力を有するに至った
アメリカが、9.11同時多発テロ事件以降、誤った軍事力の行使に至らしめた外交
政策を批判するものでした。そしてフクヤマ氏は、イラク戦争における軍事介入が、
国家間で行使されるべき「抑止」の観念に基づいており、対テロ戦争にそぐわない
性急な処方箋であったと断じ、民主主義社会におけるイスラム系民族のマイノリテ
ィ意識の高まりがテロ活動の原因であると指摘しました。その上で、今後のアメリ
カ外交政策については、(1)多国間連携に基づく安全保障体制の再構築や、(2)
中東地域への民主化政策の見直しなど、極めて刺激的な提案をされました。
講演後、質疑応答の時間が設定され、400人を超える本学学生達からいくつか
の質問が出されました。質問内容は、イラク対策の処方箋やアメリカ人の民主主義
意識、多国間安全保障体制のあり方などにおよび、よりいっそう議論が深められ、
会場は大いに盛り上がりました。
今後も、政策創造学部では、引き続き、現代社会の諸問題を取り上げた講演会を
実施していきます。


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