用途・応用分野
遺伝子治療、遺伝子導入用試薬
概要
本化合物はヒストン脱アセチル化酵素に対して阻害活性を有するヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)の新規誘導体であり、強い遺伝子発現増強作用を示す。新規HDACiと市販のリポフェクション試薬からなる脂質膜構造物と目的の遺伝子(DNA)を複合化させた複合体(ナノプレックス)を、細胞内に導入すると、細胞内での当該遺伝子の発現が著しく増強される。
全世界で汎用されている遺伝子導入剤Lipofectamine2000(Thermo Fisher Scientific社製)をリポフェクション試薬として用いると導入遺伝子の発現が約25倍も向上する。
作用機序としては、HDACiが導入された遺伝子の細胞質から核への輸送と核内での転写効率を高めることによると考えられる。
下図に示すようにリポフェクション試薬のみを用いた場合に比べ、外因性プラスミドの遺伝子発現が3~25倍高まっている。
上記は「研究・技術シーズ集」より抜粋した内容です。詳細につきましては「研究・技術シーズ集一覧」よりご確認ください。