用途・応用分野
医療分野
血管等の管状臓器の狭窄治療用医療器具、薬物を徐放する全分解性ステント低侵襲薬物治療デバイス、インテリジェント手術用縫合糸・固定材
血管等の管状臓器の狭窄治療用医療器具、薬物を徐放する全分解性ステント低侵襲薬物治療デバイス、インテリジェント手術用縫合糸・固定材
概要
ポリグリセリンを開始剤としてカプロラクトンを重合し、得られた分岐型オリゴカプロラクトン(br-OCL)を架橋した。このbr-OCL架橋体(Xbr-OCL10)は37-40ºC付近で、鋭敏な形状回復能を示し、回復率がほぼ100%であった (図1)。また 、このXbr-OCLの調製時に薬物としてテオフィリンを共存させておくことで、薬物内包架橋体が調製可能であり、1カ月以上にわたってテオフィリンが徐放されることも確認した (図2)。本開発品は、血管などの管状臓器に生じた狭窄を物理的に押し広げ、薬物を放出しながら開存状態を維持し、最終的には体内で分解・消失する薬物放出型ステントなどとしての応用が期待される。従来の形状回復ポリマーは鋳型を用いて作成されるため、広がった形状への回復は容易でも、細かく折りたたまれた状態への回復は困難であった。我々は多層シート状成型方法を採用することで、段階的に折りたたまれる形状回復を示す生分解性ポリマーの作成にも成功した(図3)。
上記は「研究・技術シーズ集」より抜粋した内容です。詳細につきましては「研究・技術シーズ集一覧」よりご確認ください。