収蔵資料

HOME 収蔵資料 05 昭和時代前期(1926〜) 詳細

収蔵資料

 関西甲種専門学校は、大正2年(1913)4月に開校し、昭和23年(1948)3月まで存在した学校で、現在の関西大学第一中学校、第一高等学校の前身である。
 この2種類の制服ボタンは戦時中に作られたものである(寄贈者は、昭和15年に関西甲種商業学校入学、昭和20年卒業)。左は金属製で、現在も詰襟の制服などに見られるタイプであるが、右は陶製である。戦争の激化に伴い、金属の供出が強制された結果、日常品のいくつかは陶製になったが、そうした事例の一つといえる。
 陶製ボタンは、裏側の糸をかがる部分まで陶製にできないため、表から裏に金属棒を通し、その先端を曲げて糸かがりをするようになっている。そうした構造上の問題もあって「甲商」の表示が、金属製では中央部に縦書きで表示されるが、陶製では中心部を外して左右に配置するデザインとなっている。また、陶製という性質上、細かな意匠の表現が難しく、全体的にぼやけたような感じになっている。
(木村昌三氏寄贈)