収蔵資料

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 昭和初期の千里山学舎と千里山住宅地を撮影した航空写真である。ともに平成9年(1997)、神保一郎関西大学経済学部教授(当時)が所蔵されていたものを複写させていただいた。もとは神保教授のご父君のものである。画面に写っている建物などの建築年月は次のとおりである。
  予科校舎(画面中央上、「ヨ」字の建物):大正11年(1922)4月竣工、昭和9年(1934)12月12日焼失
  大グラウンド(画面左半分):大正15年(1926)8月中旬竣工
  クラブハウス(大グラウンドの上、予科校舎の左隣):大正15年(1926)10月上旬竣工
  大学本館(予科校舎の下、「ロ」字の建物):昭和2年(1927)6月5日竣工
  図書館(大学本館の下):昭和3年(1928)4月竣工
  威徳館(画面に写っていない):昭和6年(1931)7月28日起工、昭和7年(1932)2月28日竣工
 これらのことから、この航空写真が撮影された時期は、昭和3年(1928)4月の図書館竣工以降、威徳館の工事が始まる昭和6年(1931)7月以前の間であったことが導き出される。
 もう1枚の千里山住宅地の写真も、イギリスの田園都市レッチワースをモデルに、噴水があるロータリーを中心として直線の街路が放射線状に広がっている様子がよく分かる。
 現在と異なり、カメラが一般に普及していた時代ではなく、さらに航空写真となると、軍事的な要素も加わって誰でもが撮影できるものではなかったため、その意味からも、これらの写真は貴重なものと言えよう。