収蔵資料

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 昭和4年(1929)に竣工し、専門部や関西甲種商業学校などの校舎として使用され、戦後は第2部(夜間)の学舎として長年にわたって利用されてきた天六学舎は、平成26年(2014)9月に閉鎖され、85年の歴史に幕を下ろした。
 学舎の解体を期に、体育館の部材を利用して天六学舎のメモリアルとなるウクレレを制作することになった。クラブ活動に心血を注いだ学生たちはもちろんのこと、働きながら学ぶ学生たちにとっても、汗とエネルギーの受け皿となった「体育館」はキャンパスライフの重要なワンシーンであり、ある意味、「最も身体に近かった」建物というのが部材を選ぶ理由の一つになった。
 完成したウクレレのヘッドにはバスケットゴールの黒線部分、ヘッド裏には新旧の2色が残る器具庫奥の壁板、ボディ表面は黄色と白のラインが描かれた体育館床板、ネックは器械体操の平行棒、ボディ側面は女子更衣室の床、器具庫に残されていた「体育館の平面図」をボディ裏面に張るなど、体育館らしい部材を使いながら、建物の記憶をウクレレに取り込む工夫がなされた。
 部材切り出し 2015年5月11日
 ウクレレ完成 2015年11月5日
 ウクレレ制作 美術家 伊達伸明氏