近年、心疾患、脳血管疾患といった循環器系に関する病気が日本だけでなく世界各国で増加してきていることがWHOのレポートで指摘されています。
「心不全パンデミック」と言われるほど深刻な課題となってきており、予防・診断・治療全ての対策に緊急度が増してます。
一方で、心電図をはじめとする循環器系の情報をモニタする機器は、電極やリード線を設置することから拘束性の高く、通常の環境では患者への負担が多いことが問題となっています。
そこで、本研究グループは携帯電話に用いられるレベルの安全な電波(マイクロ波)を利用し、日常的且つ連続的、さらに非接触・非侵襲で負担なく計測できる方法を検討・提案しています。
仕組みとしては、体表面に生ずる心拍に伴う微細な振動を、携帯電話のような電波を発信して計測し、その結果をもとに診断することを提案しています。
現在では、心拍や呼吸活動の情報を抽出し、結果として身体に一切触れずに自律神経系の変動(ストレスの変動)をモニタすることに成功し、さらに非接触で血圧の変動推定に成功するなどの成果を挙げつつあります。