日本で膝関節(図1)の異常をきたす人は1,000万人を超え、加齢やスポーツによるケガなどが原因で歩行が困難となり、治療を必要とされる患者さんは700万人とも言われています(図2)。
現在は、関節注射や筋力強化訓練などが主たる治療法ですが、効果が得られない場合には、手術が必要になります。
手術では、内視鏡を用いて軟骨や半月板の一部を削り取ったり、人工膝関節を入れたりすることになり、患者さんの負担は非常に大きくなります(図3)。
そこで、患者さんの負担を軽減するために、細胞と親和性が高く、からだの中で固まるゲルの内部に細胞を3次元に配置させ、軟骨や半月板を再生する材料の開発を推し進めています。
これらの材料は、注射器や内視鏡を用いて、簡単に患部へ注入することができ、軟骨や半月板の再生を助けます。