2020年7月1日(水)、本事業研究代表者の大矢裕一教授と研究分担者の葛谷明紀教授(いずれも化学生命工学部)の共同研究テーマが、関西大学で始動する「新型コロナウイルス禍の克服に資する研究プロジェクト」に採択され、関西大学プレスリリースにて配信されました。同プロジェクトは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の克服に向けての社会的課題の解決に資するプロジェクトを助成するもので、学内での公募および審査の結果、本テーマを含む14件の研究テーマが選ばれています。
 研究期間は、2020年7月1日~2021年3月31日を予定しております。


掲載媒体:
KU EXPRESS No.19
 ■学内の研究力を結集し、7月1日から本格始動■ 関西大学 新型コロナ対策研究プロジェクトの詳細
配信日:
2020年7月1日
採択テーマ:
高分子ミセルを用いた対コロナウイルス経鼻型ワクチンの開発
研究代表者:大矢 裕一(化学生命工学部教授)
共同研究者:葛谷 明紀(同 教授)
[研究概要]
 この研究では、鼻腔粘膜を介してウイルスの抗原タンパク質をデリバリーするナノサイズの微粒子状キャリヤーを開発します。このナノ粒子は生分解性ポリマーからなるプラスに帯電した粒子を、免疫担当細胞に親和性を持つマイナスに帯電した多糖で被覆した構造をしており、鼻粘膜を介して効率的に免疫を誘導できる可能性があります。成功すれば、ナノ粒子溶液を鼻に噴霧するだけという実に簡便な方法で、ウイルスに対する免疫をつけることができます。これにより、高齢者や基礎疾患保有者、妊婦、乳幼児などの「弱者」に対しても、極めて簡便・安全・低負担・低侵襲なワクチン接種が可能となり、医療体制が脆弱で感染爆発が危惧される途上国や難民キャンプ等において、熟練した医療従事者でなくともワクチン接種できる体制を提供できます。