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AP合同フォーラムを開催

お知らせ

日時:2月9日(木)14:00~17:30
場所:関西大学 梅田キャンパス

 梅田キャンパスで9日、本学・大阪府立大学の共催で、AP合同フォーラム「学士課程教育における内部質保証システムの構築にむけて~3つのポリシーと学修成果の可視化の連動性に着目して~」を開催しました。
大学をはじめとする高等教育機関では、研究・教育の適切性について自ら点検・評価することが国から求められています。2004年度からは、第三者による外部評価を受けることが義務づけられる認証評価制度(文部科学大臣が認証する評価機関による検証)が導入され、研究・教育の質の向上および改善等を目的としたチェックの必要性は年々高まりつつあります。
 ここで問われているのは、各大学が行う自己評価の信頼性と妥当性。つまり同制度では、自らの責任で大学の質を維持し向上させる仕組みを持っているかどうかが評価されます。この仕組みこそ「内部質保証システム」であり、現在各大学には、同システムの構築が求められています。
こうした背景から開催された本フォーラムでは、本学・大阪府立大学・大阪大学が取り組んでいる具体的な事例報告および各大学が抱える問題や展望などについて議論が行われました。
基調講演として登壇した川嶋太津夫教授(大阪大学高等教育・入試研究開発センター長)は、「明確なポリシーの策定とIRの活用による内部質保証システムの確立」をテーマに、複雑化する社会と大学が置かれてる現状を分析しながら、同システム構築に向けたアウトラインを解説。「保証すべきは学位。つまり学修成果(知識・技能)であり、学習機会の提供者である大学がまず主体となって責務を果たさなければならない。しかしそれだけでは不十分」とつづけ、学位分野の質保証の基盤が弱い点を指摘しながら、大学内部のシステム整備および外部機関によるチェックの必要性を説きました。
 そのうえで川嶋氏は、3つのポリシー(Admission Policy・Curriculum Policy・Diploma Policy)と質保証のためのPDCAサイクルについて説明し、「3ポリシー+AP(Assessment Plan、入学から卒業までの学修成果の達成度評価)」による大学教育の質保証の在り方を示しました。
その後各大学の事例報告では、IR事業(調査等によって収集した情報をもとに経営戦略、教育研究、学修支援などを展開する活動)の進捗を共有。関西大学の森朋子教授・紺田広明特任助教は、「調査結果を学生にもフィードバックし、自らの学修をマネジメントできる仕組みづくりも必要」と、学生・教職協働のシステムづくりを課題にあげれば、同じく大阪府立大学の高橋哲也教授・畑野快特認助教も、「学生調査の存在と意義が学内に浸透されていない。"教育改善"として理解してもらわなければ、PDCAのチェックの機能としては成立しない」と現状を分析し、課題に対する最近の取組み事例などを紹介しました。
 大阪大学の安部有紀子准教授・和嶋雄一郎助教は、IR事業に取り組む組織体制については整理中と前置きしながらも、フィードバック機能のみならず教員FD用の資料としてそのまま使用できる仕組みなどを備える独自の学生調査システムを披露。一方で、「技術先行型で教育データの運用、活用については課題が多い」と自学の現状を概観しました。
最後のパネルディスカッションでは、会場から集められた質問カードに対する回答も行われるとともに、IRの意義や調査方法、PDCAサイクルの期間などについて、改めて大学間で意見を交換。「従来教育は個人の経験則によって評価されてきたが、IRを活用することで客観的に行うことが可能になる」と、IRの有効性と役割ならびに大学間の共通指標にもなりうる可能性について川嶋氏が総括し、200人超の大学教職員・関係者が参加した本フォーラムは、盛況のうちに終了しました。

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