教学IRプロジェクトとは
教学IRプロジェクトとは
IR(Institutional Research)とは本来、教育、経営、財務情報を含む大学内部のさまざまなデータの入手や分析と管理、戦略計画の策定、大学の教育プログラムのレビューと点検など包括的な内容を意味します。
関西大学の教学IRプロジェクトでは、本学全体の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に掲げている「学修成果の評価」を実施するために、学事データや学生の学修活動、大学の教育活動、入試、キャリア等に係る根拠データを組織的に収集・分析、可視化し、計画立案や意思決定に資するデータとして活用することに力点を置いています。

プロジェクト長挨拶
― 学生が主体的に学ぶ大学であるために ―
関西大学は、学生のみなさんが主体的に考え、行動する「考動力」を養成するにふさわしい大学をめざしています。学士課程における共通教養教育や学部専門教育、大学院での研究だけではありません。正課外活動や社会連携活動も含め、多様な場を通じて培われた「考動力」は、変化の激しい現代社会を担う、ひとりひとりの強くしなやかな個性を創り出す大切な資源となるでしょう。
「主体的に」とは、ただ自分のやりたいことをやればよい、というものではありません。教育の成果は、個々人の人生のみならず、社会のあり方全体に影響を及ぼします。社会において学ぶ目的は何か、しかも関西大学で、この学部、研究科で学んでいる意味とは何か、その成果はどうなのか、学生のみなさんには、自分自身をとらえ、さらなる研鑽を積んでもらうことが期待されます。一方、学生が自身の位置を適切に確認できるような指標を、大学は全体として、そして学部、研究科は、それぞれの教育理念をもとに示さなければなりません。主体的な学び、「考動力」養成を謳うからこそ、この責任はいっそう重大になるといえます。つねに大学と学生とが向き合い、何をもって「主体的」というのか、倫理的観点も交えて多角的に考え、実践していく。教育の理念、個別目標の達成、すなわち学びの成果を把握し、教育の質向上に継続的に取り組む社会的責任です。
関西大学教学IRプロジェクトは2014年度の設置以来、教育職員と事務職員の部署を超えた協働を軸として、教育の質保証に重要な役割を担ってきました。学生が、関西大学で何を目標に学んでいるのか、ときに楽しみ、ときに苦闘しながらどのように成長を遂げているのか、より客観的、多角的に把握するべく取り組んでいます。もちろん、教育効果のすべてが数値化できるわけではありません。ひとつの指標として、学部、研究科それぞれの特色ある教育の推進、必要な改善に活用していただく。学生のみなさんにも、ひとつの指標として、多様な場における学び、交流を行っていくなかでの自己の見直しに役立てていただく。こうした指標の意味について、教職協働、学生も参画して考える多様な企画も実施してきました。
教育の本質、楽しさは大学の変わらぬ情景、すなわち教室での真剣な講義や演習、キャンパスでの仲間たちとの語らい、図書館での静謐な読書のひとときにあるのでしょう。そのことに思いを致しながら、ひとつの指標が学術的にも精度を高めていくよう、スタッフ一同、日々取り組んでいます。魅力的な各種企画を通じ、「関大生の今」を御覧いただこうと考えています。学生のみなさんの主体的な学びを支えるプロジェクトとして、今後とも学内外のみなさまからのご理解、ご協力をお願い申し上げます。
プロジェクト長(副学長・教育推進部長) 小西 秀樹

目的・趣旨
関西大学の教学IRは、学士課程レベルの質保証を積極的にサポートし、その集合体としての大学全体の質保証に寄与することを目的にしています。具体的には、データ収集に終始するだけではなく、その結果を教育・学習改善に活かすことを視野に入れた活動を行います。
関西大学の教学IRは以下の4点を特徴としています。
- マクロ(全学)のみならず、ミドル(学士課程,教育プログラム単位)のニーズに応える教学IR
- 直接評価(成績や履修状況などの客観的データ)と間接評価(アンケート等学生自身が評価するデータ)の多様なデータを活用し、本学が掲げる「考動力」を一貫して評価
- 「教える」のみならず、直接学生の「学ぶ」を支援する能動的な教学IR
- 教職協働,部局横断のプロジェクト型

