12/19(木)客員教授 森田 裕一 氏による講演会を開催しました

12/19(木)高槻ミューズキャンパスにおいて「我が国の火山対策の現状と課題-火山調査研究推進本部の設置の背景-」と題して、東京大学 名誉教授 森田裕一氏による講演会が開催されました。

2024年4月に文部科学省火山調査研究推進本部が設置されました。

これまでは気象庁長官の私的諮問機関である「火山噴火予知連絡会」が火山防災に関する国の機関という役目を担っていたのですが、法的根拠がないため、火山研究の人材育成、観測基盤の整備といった中長期的な課題に十分取り組むことができていませんでした。

また、2004年に国立大学が法人化され、地域に密着して火山の監視をしながら研究にとりくむ「ホームドクター」となる教員や観測所を維持し続けることも難しくなってきました。

このような問題が蓄積していく中で2014年の御嶽山噴火が発生し、戦後最大の火山災害となってしまいました。

火山本部はこれら課題を解決するために活動がはじまりましたが、まだ具体的な形になったものはありません。

火山災害は多様なハザードがある点や間接的な被害が多い点で、他の自然災害と異なっていることを多くの人に理解してもらいながら、真に火山防災に役立つ組織として発展させていくことが期待されています。

講演の最後には今後の展望について学部教員との活発な議論の時間もとられ、本学教員、学生にとっても有意義な機会となりました。

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