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高校2年生 文楽鑑賞教室に行ってきました

 去る6月11日、大阪市中央区日本橋の国立文楽劇場にて、文楽(人形浄瑠璃)を観賞しました。

 はじめに観賞したのは「団子売(だんごうり)」という演目です。「杵造(きねぞう)」、「お臼(おうす)」という夫婦が杵と臼を使い、軽妙なリズムと唄にのせて、行った先、行った先で団子を作って売るお話です。夫婦が仲むつまじく団子をつくる姿を描写し、「子孫繁栄」を願う演目となっていました。

 その次に、太夫と三味線弾きの方が、実際に使っている道具を示しながら、「文楽のいろは」をわかりやすく教えてくださいました。三味線弾きの方が、弦を押さえ方、バチの扱い方、三味線の鳴らし方によって老若男女、喜怒哀楽の違いを表現していることに、生徒の皆さんは感心していました。太夫の方も、巧みな語りによって情景をありありと映しだすのと同時に、台詞ごとに声色や話し方を変化させることによって、老若男女の別や、武家、町人、百姓といった身分の別を見事に表現していました。

 人形遣いの方は、「立役(たちやく)」(男の人形)と「女形(おんながた)」(女の人形)の構造や動き方の仕組みを教えてくださいました。人形は通常三人で扱います。人形の顔と右手とを操る人形遣いの花形「主遣い(おもづかい)」、主遣いの動きにあわせて左手を動かす「左遣い(ひだりづかい)」、足を担当する「足遣い(あしづかい)」。人形が意思を持った人間として動いているように見せるため、主遣いの目配せや醸し出す雰囲気に合わせながら、この三人が協力して人形を動かしていました。

 我が校から代表して二名が、実際に立役(男の人形)の操作を体験しました。実際に動かしてみると、立ったり座ったりという普通の動作をするだけでも、なかなか息が合わず難しいことがわかりました。三人で一つの人形を動かすことがどれほど大変なことか、そして、その人形によって感情を表現することがどれほど凄いことか、人形遣いを体験した生徒も、それを見学していた生徒も、よく理解したことと思います。

 太夫、三味線弾き、人形遣いの技術の妙を知った後、今回のメインの演目である「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」を観賞しました。あらかじめ、人物設定や大まかなストーリーを漫画で予習していたものの、高校生が実際に観賞しながら細かい内容を追っていくのは難しいところがあったと思います。そうした中でも、ある者は三味線や太夫の語りをじっと見、またある者は人形が刀を使ったり矢を放ったりする様子を興味深そうに眺め、またある者は、太夫が語る言葉の中から、古典の授業で学習した文法事項を発見して喜んだりと、視点は違えど、それぞれの生徒が自分なりの楽しみ方をしていました。

 梅雨入りし、暑さも日ごとに増す水無月の半ば、古典芸能の深みをその肌で感じた一日となりました。

≪生徒の感想≫

 文楽を観賞するのは初めてでした。一つの人形をまるで生きている人間のように動かすには、たくさんの練習が必要なのだと思いました。三味線に感動しました。

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