博物館情報庫

博物館情報庫

工芸
2010.04.24

灰釉獣耳大壺(中国 前漢〜後漢)

灰釉獣耳大壺(中国 前漢〜後漢)

かいゆうじゅうじおおつぼ(ちゅうごく ぜんかん〜ごかん)


 胴を大きく張りだし、下方にすぼまる姿をした大型の壺で、こうした器形は大型甕(かめ)の呼称である「罍(らい)」(酒樽)あるいは「ほう」(甕)というべきかもしれないが、この作例はその折衷(せっちゅう)形をなしている。
 口縁の下方部と首部の付け根の二か所に縄蓆(じょうせき)文をめぐらし、胴中央部の左右二か所に耳をつけ、すぐその上に獣頭形を飾っている。
 灰釉は自然釉であり、焼成中にふりかかった灰により素地(そじ)の珪酸(けいさん)分が熔け、器に自然に釉(うわぐすり)がかかることが多い。