博物館情報庫

博物館情報庫

工芸
2010.04.24

明器「緑釉猪圏」(中国 後漢後期)

明器「緑釉猪圏」(中国 後漢後期)

めいき「りょくゆうちょけん」(ちゅうごく ごかんこうき)
 

 明器とは、死者に添えて墳墓におさめる葬具の一種のことで、生活用具や身近な器物を摸して焼成したものが埋葬される。
 緑釉猪圏(ちょけん)は、現代中国の農村で今日でもみられる豚小屋と便所とが組み合わさった建物を模している。子豚を授乳する母豚のいる周垣は円形で四本柱瓦葺きの便所を一角に設けており、糞尿やごみを餌として再利用する。授乳する母豚は、富と子孫繁栄への祈願を象徴している。