2025年度 夏期イギリス研修 後半
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【8月4日(月)】
週末はホストファミリーとクラシックカーショーやコッツウォルズの村巡り、ローマ遺跡、ラベンダー畑見学、料理やドローン体験など、全員が思い思いに楽しく過ごしました。日本から持ってきたカレールーを使い、カレーを作った生徒もいました。

この日は、楽しみにしていたオックスフォード訪問です。まず、ヘンリー8世が設立したクライストチャーチカレッジを訪問し、映画のハリーポッター撮影でも有名な歴史のある建物に感動しました。続いて、現地の学生による街歩きツアーで、マートンカレッジやラドクリフカメラ、ボードリアン図書館、"ため息橋"、カバードマーケットなどを巡り、学生生活についての質問も交わしました。


午後は、小グループに分かれて自由行動でした。ただ自由に散策するだけではなく、「一番古いカレッジを探す」「ブラックウェル書店でベストセラーを見つける」などのミッションを与えられ、それぞれが取り組みました。ハリーポッターグッズや、オックスフォード大学のパーカーなどをお土産に買い、オックスフォードを満喫し、充実した一日となりました。
【8月5日(火)】
この日は、終日英語授業の日でした。午前中はスピーチ準備に集中し、イントロから結論までの流れを考え、フィールドワークで得た情報や日英比較を盛り込みながら文章を作成しました。先生からは「まずメイン部分の時間配分を決めてから導入と結論を考える」など具体的なアドバイスがあり、生徒たちは真剣に取り組んでいました。早めに仕上げた生徒はスライド作成に進み、写真やグラフを加えて、ホストファミリーにわかりやすく伝える工夫をしていました。

午後は、SDGsをテーマに授業が行われ、特に「リデュース・リユース・リサイクル」の3Rや、イギリス独自の「チャリティショップ」について学びました。チャリティショップは、寄付された衣類や本などを安価で販売し、その収益を医療研究や福祉活動に活用する非営利店で、ボランティアによって運営されています。授業後は、実際にBritish Heart FoundationやSue Ryder、British Red Crossといった店舗を訪問しました。可愛い雑貨が手頃な価格で買えるので、記念やお土産に購入して「楽しく買い物をしながら社会貢献できる」という仕組みを体験しました。

【8月6日(水)】
この日は、スピーチ発表の前日です。午前中は、文章を完成させ、その文の長さの調整に取り組みました。一人ずつ英国人教師と内容を確認し、他の生徒は原稿の修正やインタビューで得た情報を加えて仕上げていきました。原稿を完成させた生徒は、先生や学生アシスタントから発音やイントネーション、言い回しの指導を受けながら、徹底的に練習しました。スライドも仕上がりつつあり、本番に向けて準備は順調に進みました。教室には少し緊張した雰囲気と同時に、翌日への期待感も漂っていました。


午後は、英国の食文化を体験する「フードティスティング会」でリフレッシュしました。チーズやスコッチエッグ、ポークパイ、チャツネ、マーマイト、ジャファケーキ、玉ねぎの酢漬けなど、英国人アシスタントの説明を聞きながら、生徒たちは"Do you like this?"、"It tastes better than it looks!"と英語で感想を言い合い、自然に交流が生まれました。試食を通して「酸っぱい」「意外に美味しい」「お土産に買いたい」など多彩な形容詞も学び、笑い声が絶えないひとときとなりました。文化に触れながら英語も使う、まさに実践的な学びの時間でした。

【8月7日(木)】
語学研修プログラムの最終日となりました。午前中、最後の授業の後に修了式が行われ、先生から一人ひとりに修了証書と成績表が手渡されました。「よく準備に取り組んでくれました。本番もきっと素晴らしい発表になるでしょう」という温かい言葉に、生徒たちも笑顔で応えていました。最後に感謝を込め、生徒たちから先生方へ花束が渡され、会場は拍手に包まれました。


午後は、スピーチ発表会です。これまで準備してきた成果を、ホストファミリーが見守る中で堂々と披露しました。約5分のスピーチでは、パワーポイントを使った工夫や効果的なジェスチャー、アイコンタクトも交え、ユーモアで会場を沸かせる場面も。緊張の中にも自信あふれる姿に、これまでの努力が実を結んだことを実感できました。

続いて行われたさよならパーティーでは、生徒たちが準備した「日本文化コーナー」をホストファミリーが順に回り、型抜きや福笑い、輪投げ、射的、けん玉、新聞乗り、だるま落としなどに挑戦しました。特に、けん玉では上手なホストファミリーが技を披露する場面もあり、大盛り上がりでした。


また、日本から持参したお菓子やジュースを振る舞う場面もあり、"This is my favourite!"と紹介する生徒の声に、ホストファミリーも"Japanese sweets are the best!"と大喜び。さらに、サプライズでThank youカードを渡すと、会場は一層温かい雰囲気に包まれました。限られた時間での準備にもかかわらず大成功のパーティーとなりました。ホストファミリーとの心温まる思い出がまた一つ増え、忘れられない最終日となりました。
【8月8日(金)】
長いように思えたホームステイも終わり、朝はホストファミリーとのお別れでした。スーツケースを手に集まった生徒たちとファミリーは、笑顔と涙が入り混じるひとときを過ごしました。バスが発車した後も、互いに見えなくなるまで手を振り合い、絆の深さを感じさせる場面となりました。帰国後もこのご縁を大切にしてほしいものです。

次にバスが向かった先は、ウィンザー城です。ロンドン近郊にあるこの城は、900年以上の歴史を誇る世界最古の王宮であり、現在も王室が使用する「生きているお城」です。広大な敷地には住居や礼拝堂、職人の作業場などがあり、大阪城3つ分以上の広さを誇ります。特にエリザベス女王がこよなく愛したことでも有名で、公務やプライベートで頻繁に訪れた場所です。


城の塔に翻る旗を確認すると、この日は王室旗ではなくユニオンジャックだったので、残念ながら国王は滞在されていませんでした。しかし、ステートアパートメントを見学すると、その豪華さに生徒のみんなは圧倒されました。王の寝室や王妃の客間、荘厳なダイニングルーム、そしてレンブラントやカナレットら巨匠の絵画やロイヤルコレクションの名品が並ぶ内部は、まさに「圧巻」の一言でした。イギリス王室の伝統と華やかさを肌で感じられる貴重な体験となりました。
翌日に迫った帰国に備え、夜はホテルでパッキングをしてゆっくり過ごしました。
【8月9日(土)】
いよいよイギリス研修の最終日です。ホテルでの朝食は、イングリッシュブレックファーストでした。ソーセージやベーコン、ハッシュポテトにクロワッサンやフルーツまで並び、最後の朝を賑やかに迎えました。

この日は、日本人ブルーバッジガイド・田中さんの案内で、ロンドン観光へ向かいました。まずはバッキンガム宮殿を訪れ、花壇の美しさや国旗を目にしながら王室の雰囲気を実感しました。その後、セントジェームズパークを抜けてウェストミンスター地区まで歩きました。国会議事堂やビッグベン、さらに戴冠式や国葬が行われたウェストミンスター寺院を外から見学しました。天候にも恵まれ、ロンドンの街並みと人々の生活風景を楽しむことができました。


続いて旧市街へ移動し、タワーブリッジやロンドン塔、セントポール大聖堂を見学。ガイドのおすすめスポットからはタワーブリッジの絶景写真も撮れました。土曜日だったせいか、交通状況がスムーズで、いろんな場所を見て回ることができました。昼食は、名物「フィッシュ&チップス」です。大きさに驚きながらも、揚げたての味に感動する声や「ちょっと重いかも...」と苦笑いする声が飛び交いました。
午後は、世界四大博物館のひとつ・大英博物館へ向かいました。ロゼッタストーンやパルテノン神殿の彫刻、約5400年前のミイラ「ジンジャー」などを見学し、大英帝国の歴史と文化の厚みに触れました。館内は世界中の観光客でにぎわい、生徒たちも熱心に見学しながら学びを深めていました。


そして、夕刻にはヒースロー空港へ。全員元気に帰国の途につきました。
今回の研修では、言葉・生活習慣・文化が異なる環境で、「現地でスピーチを作って発表する」という目標に向かって一人ひとりがしっかり取り組み、語学の力を伸ばしながら、互いに支え合いながら挑戦し、多くの学びを得たことと思います。この経験が生徒たちの将来の夢や希望をさらに広げ、次の挑戦への原動力となることを願っています。



