概要
本稿では、2020年代にユネスコが世界中に「学習都市」の建設に乗り出し、2013年の北京会議、2015年のメキシコシティ会議、2017年のコーク会議と3回の国際会議を重ねてきたが、そこでどんな議論がなされてきたのかについて概観し、SDGsが学習都市にどのように位置づいてきたのかについて論じた。特に、メキシコシティ会議のテーマは「持続可能な学習都市を建設すること」で、本会議の終了時に採択された「持続可能な学習都市に関するメキシコシティ声明」では、SDGsを各学習都市において実現していくことが表明された。また、コーク会議では「グローバルな目標、地方の行動:2030年におけるすべての人のための生涯学習に向けて」というテーマのもとで、いかにしてSDGsを学習都市で実現できるのかという問題設定がなされた。