用途・応用分野
・政治的なジェンダー平等促進施策のためのターゲティング
概要
政策創造学部 西山真司 准教授は政治的なジェンダー不平等構造に対するエスノメソドロジー分析に関連する研究をしている。この研究は、法的・形式的なジェンダー平等が達成されたと考えられている先進国の政治において、政治分野での女性の過小代表が生じる原因を分析する。その際に社会学で展開されたエスノメソドロジーを用いて、人びとのリアリティレベルにおいてどのような不平等構造が作られているのかを経験的に分析する。
一般的に、政治的なジェンダー不平等については、政府や行政レベルでの取り組みや社会制度が問題の原因として注目されることが多い。しかし、ジェンダーという現象自体は人びとが認知するリアリティに根差しているものであるため、たとえ政治的不平等を考える場合であっても、市井の人びとが日常的に制度にどのようなリアリティを投影しているのかを実体的に把握することが必要になる。エスノメソドロジーによって、政治的な不平等の構造がいかにして構築されるのかが明らかになる。