概要
商学部 水野一郎 教授はSDGsと渋沢栄一に関する研究をしている。SDGsは、その前身といえるミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGsと略称)を継承し発展させたものであり、MDGsと比較しながらSDGsの意義と内容を整理した。そして2016年から始まった日本政府の取り組み、とりわけ「ジャパンSDGsアワード」の創設や『SDGsアクションプラン』、経済産業省の「SDGs経営ガイド」などを検討し、さらに経済同友会の報告書や経済界の取り組みについて紹介してきた。そしてこうしたことを踏まえて渋沢栄一の事跡と活動を振り返りながら、渋沢栄一の生涯とその経営思想である「論語と算盤」や「道徳経済合一説」の現代的意義を考察し、SDGsの基本理念と極めて親和性が高いことを明らかにしてきた。渋沢栄一の玄孫である渋沢健氏(コモンズ投信株式会社会長) も、渋沢栄一の『論語と算盤』の経営思想とSDGsのメッセージが「渋沢栄一の思想とシンクロしていると思います」と述べている。
【関連資料】水野一郎(2019)「SDGsと渋沢栄一」『関西大学商学論集』第64巻第3号 57-71ページ
水野一郎(2019)「渋沢栄一とCSV ―道徳経済合一説を中心としてー」『産業経理』Vol.79 No.2 13-23ページ