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こころの健康に関するコラム
こころのこえ、からだのこえ

 みなさんは、普段自分のこころに耳を傾けたり、自分に問いかけたりすることはありますか。あまりそういった習慣が無い人もいれば、日頃からよくそういったことを意識しているという人もいるかと思います。

 大阪から東京まで何日も歩いていた時代から新幹線という乗り物が登場し、6時間で移動できるようになった。またさらにリニアモーターカーの開発で約1時間で移動できる日もそう遠くはないように思います。映画をゆったりと観るより人も動画を倍速にして観る人たちの数が多くなり、『コスパ』ならぬ『タイパ』という言葉の出現にみられるように、時代や環境の変化により私たちは、より速く、より急いで作業することや何かを成すことを求める生活の中にいることを実感することが多いようです。

 そのような生活の中で、ふと立ち止まって、自分のこころや、自分自身に問いかけるような暇(いとま)をもつことは、思っている以上に意識しなければ、自然とできることではないように思います。

 こころ、と言いながら、今日はからだの声についてお話したいと思っています。『病は気から。』という言葉が昔からあるように、こころと身体の健康は関連している考え方があります。それでは、『からだの声』とは、どういうことなのでしょうか。それは、自身の身体に不調があった際には、その身体の器官の機能に沿った意味がある、もしくは、身体から自分へのSOSや"もう限界だよ"のメッセージであるということです(とある恩師に教わったことなので、数的なエビデンスがあることではないと注釈を申し添えておきたいと思います)

 それは、例えば、『胃が痛い。』ということがあれば、胃は消化する器官なので、"もうこれ以上、物事(課題や悩みなど)を消化できません"、『お腹を壊している』のは、"(なんとか消化してこなしてはいるが)これ以上は吸収できません(自分の身につけることや、自分にとって良いものとして活かすことはできない)"という意味ではないか、というものです。また、これらは、その意味を自分が全く汲み取らず、身体の声を無視し続けて無理をすると、いよいよ限界がくるらしいのです。だから、限界がくる前に、せっかく出してくれている自分の身体からのメッセージに耳を傾けてみてあげてもいいのではないでしょうか。

自分の日常の中で、そういったことで何か思い当たることはないのか。"自分の身体は、自分に何を伝えてきてくれているのか"、普段から問いかけるのが難しい人も、自分の身体が不調なときくらいは、ちょっと立ち止まって考えてみるのはどうでしょうか。

相談員 畑山ゆり