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開催報告
B研究部門発表会(第77回)を開催しました。
2025年10月14日(火)、関西大学千里山キャンパスに於いて、B(生命・人間・ロボティクス)研究部門による研究部門別発表会(第77回)を開催いたしました。
当日は、本学 化学生命工学部 住吉 孝明 教授、SparxBiotech Co. Ltd. in China 副社長 本田 雄 氏および、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 理事長特任補佐 近藤 裕郷 氏による講演が行われ、多数の方々にご参加いただきました。
【テーマ】 日本発創薬の最前線 〜新規モダリティへの挑戦〜
【講演①】 創薬プラットフォームの変遷と日本発創薬の適性
化学生命工学部 教授 住吉 孝明
創薬プラットフォームは、天然物に始まり、有機合成を基盤とする低分子化合物、抗体医薬品と主役が移り変わってきた。さらに、抗体−薬物複合体、核酸、細胞と新しいプラットフォームが登場してきた中で日本発の医薬品創出数は減少し、存在感が低下している。日本の創薬はどこに向かうべきかを議論した。
【講演②】 私のADC研究:Enhertu®からMcADCに至るまで
SparxBiotech Co. Ltd. in China 副社長 本田 雄 氏
初めに第一三共(株)で従事していたEnhertu®を紹介し、その後中国に渡ってSparxBiotechで従事しているマクロファージをターゲットにしたMcADCについて紹介し、これらのADCを開発した経緯についてご講演いただいた。
【講演③】 新機軸創薬システムの明日を考える!
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
理事長特任補佐 近藤 裕郷 氏
現在の日本の医薬品産業が直面している課題は多く、その課題解決に向けた新機軸の創薬プラットフォームの開発について紹介した。さらに、現在の創薬研究開発はAIの時代へ大きくシフトしており、生成AIを駆使したデータサイエンスの高度化が凄まじい勢いで進展している。世界の潮流から見える日本の創薬研究の課題解決に向けた新たな創薬研究手法の開発が強く望まれている。講演では、日本の医薬品産業が抱える課題を共有し、課題解決に必要な創薬プラットフォームのあるべき姿について議論した。