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開催案内
N(新物質・機能素子・生産技術)研究部門別発表会(第76回)(2025.6.26開催)
N(新物質・機能素子・生産技術)研究部門
N研究部門による研究部門別発表会を下記の通り開催いたします。
日 時: 2025年6月26日(木)16:20~17:50
場 所: 関西大学千里山キャンパス 第4学舎4号館 4階 4202教室
テーマ: 錯体化学が拓く生物無機化学と光材料化学分野の最前線
金属錯体は無機化合物と有機化合物の接点にあり、それらの組み合わせによって多彩な機能を発現する物質群を創製し得る。これらの分野には、医薬品に利用可能な金属錯体開発を行う生物無機化学や、光機能性材料を開発する材料化学分野を挙げることができる。本研究部門別講演会では,抗がん作用を示す金属錯体開発の現状と、希土類錯体をベースとする発光性材料の開発研究を紹介いただき、錯体化学が拓く生物無機化学と光材料化学分野の最前線に触れていただく機会としたい。特に分野外の方々にもわかりやすいよう、錯体化学の基礎的な解説も含めてお話しいただく。
講演〈1〉16:20 -16:50
金属錯体が切り開く次世代型抗がん治療薬の開発
関西大学 化学生命工学部 准教授 中井 美早紀
シスプラチンに代表される白金錯体のように、古くから金属錯体は抗がん薬として利用されてきた。金属錯体は、酸化還元に対して安定であるといった、有機化合物とは大きく性質が異なるため、有機化合物のみでは出せない特色がある。これらの金属錯体の特色を、医療分野へ展開するための研究を紹介する。
講演〈2〉16:50 -17:50
希土類を光らせる螺旋状の分子の設計
青山学院大学 理工学部 化学・生命科学科
教授 長谷川 美貴 氏
希土類イオンは混成軌道を作らないため、結合軸や配位様式の設計は経験に依存するところが多い。機能を司るf電子は内殻に孤立して局在化しているため、その電子スペクトルは、室温でも真空中極低温で測定した場合と同じように、極めてシャープに現れる。私たちは最近、目的に合わせた発光を示す一連の希土類錯体の実現を目的に、結合軸を持たせたヘリカルな分子を「RareEarthElements」と命名しその開発に成功した。当日はこの系を基に、希土類を含む分子構造の妙技と発光設計および実践を紹介し、多くの気づきを共有したい。
参加費:無料
申込方法:参加をご希望の方は、申込フォームより事前にお申し込みください。
【お問合せ・お申込み】
関西大学 先端科学技術推進機構
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35
E-Mail: sentan@ml.kandai.jp