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最新情報

開催案内 【開催案内】研究部門別発表会(第68回)(2024.1.15開催)

B(生命・人間・ロボティクス)研究部門

B研究部門による研究部門別発表会を下記の通り開催いたします。


日 時: 2024年1月15日(月)15:00~17:40

場 所: 関西大学千里山キャンパス 第4学舎3号館 3401教室

テーマ: 合理的な分子設計を基盤とする創薬化学研究への挑戦と実践


講演〈1〉15:00~15:30
      中枢神経系を標的とする新たな低分子創薬の可能性
          関西大学 化学生命工学部 教授 住吉 孝明

 アルツハイマー病、うつ病、統合失調症などの精神神経疾患の治療薬は、現在でも満足度が低く、新規作用機序に基づく新規医薬品の開発が望まれている。脳への異物侵入を防ぐ血液脳関門は、分子量が大きい抗体医薬品や核酸医薬品が通過する可能性は低く、精神神経疾患治療薬創製は今後も低分子創薬が主流であり続けると考えられる。従来のモノアミン創薬から脱却し、細胞生存等の効果が期待できる創薬標的の攻略には高極性基や高分子量が必要とされることが多く、中枢性疾患への応用が困難であった。本研究では、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に脳移行性を向上させる分子設計を施し、本来低脳移行性の化合物を効率的に移行させることに成功した。当該方法論は、中枢薬応用が不可能であった創薬標的に対する探索研究が可能とし、中枢薬創製に貢献できる。

講演〈2〉:15:35~16:35
      バイオベンチャーにおける低分子創薬
         カルナバイオサイエンス株式会社
         取締役・チーフサイエンティフィックオフィサー
                         澤 匡明 氏

 カルナバイオサイエンス株式会社は、かつて存在した鐘紡株式会社の医薬品研究部門を起源とする創薬バイオベンチャーである。創業当初はキナーゼタンパク質の製造販売を中心とする創薬支援業務にフォーカスし、2008年の上場を機に、2010年に日本発の低分子創薬型ベンチャー企業をめざして自社創薬研究を開始した。カルナバイオサイエンスでは、一般的な製薬企業と同じく、創薬標的の選定から開始し、自社化合物ライブラリのハイスループットスクリーニングを経てリード創出・最適化を実施し、医薬品候補化合物を創出している。社内創薬事業を開始してから僅か5年で最初の化合物の導出に成功し、その後も順調に新しいパイプラインを創出し、これまでに計6件の導出契約に至っている。本講演では、創薬事業の立ち上げから、創薬パイプラインの構築・導出に至る経緯や苦労話に触れつつ、少数精鋭による実際の創薬研究開発についても紹介したい。

講演〈3〉:16:40~17:40
      DXで目指す創薬イノベーション
         京都大学大学院医学研究科 教授
                        奥野 恭史 氏

 我々は、世界のスピードに追い付き、対峙できる創薬イノベーションを目指し、AI・シミュレーションによって創薬プロセスの超高速化する創薬DXプラットフォームの研究開発に取り組んでいる。具体的には、創薬プロセスの上流から下流に至る各ステップのAI・シミュレーション技術(創薬標的探索や薬効・毒性等の活性予測やメカニズム解明、さらにはそれらを最適化条件とする化合物デザイン、臨床データからの副作用要因抽出などの計算技術)の開発を行ってきた。本講演では、演者が取り組む具体的な事例を紹介しつつ、創薬におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性や展望についてお話ししたい。

参加費:無料

申込方法:参加をご希望の方は、申込フォームより事前にお申し込みください。

【お問合せ】
関西大学 先端科学技術推進機構
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35
電話:06-6368-1178 FAX:06-6368-0080
E-Mail: sentan@ml.kandai.jp