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研究科紹介

研究科長からのメッセージ

令和3年合格発表によせて(2021/9/7)

 令和3年司法試験、関西大学法科大学院修了生の合格者数は残念ながら6名にとどまりました。受験者実数51名を母数とする合格率はわずか11.76%です(既修41名中4名、未修10名中2名。新修了生の合格者は既修2名、未修2名)。惨状というほかありません。合格に及ばなかった修了生各位に対し、法科大学院として、法務研究科長として、責任を激烈に痛感しています。
 今回合格に及ばなかった皆さんには、次の機会にこそ朗報が得られるべく、関西大学校友会・関大法曹会のご協力をいただきながら、正課外特別演習を中軸とした支援態勢を継続していきます。今回の結果は実に実に残念でしたが、暗闇の中のわずかな光明は、学内成績と司法試験結果とがきちんと照応していることです。どうか、関西大学法科大学院の教育方針に信頼していただき、浮足立つことなく、臥薪嘗胆堅忍不抜の思いを胸に秘め、雄飛のときを目指してください。そのときまで、関西大学法科大学院は、断然、みなさんと共にあります。
 合格の吉報を手にされたみなさんには、心より祝意を表します。また、さっそくその笑顔に接して喜びを共にできたこと、うれしく思っています。今後、この国に法の名において公平公正を実現すべく、気をひきしめて研鑽を積まれ、さらに充実した成果に向けて前進されるよう、祈ってやみません。
 関西大学法科大学院は、連携先の法学部法曹コースとのシームレスな接続によるプロセス教育の一層の実質化に道筋をつけつつ、理論と実務の架橋たらんとする理想の旗を降ろすことなく、同時に、現実の目標を見据えて教育内容に不断の見直しを行い、司法試験合格率の向上と合格者数の増加に向け、背水の陣を敷いて反転攻勢に挑んでまいります。この国のために。  

関西大学大学院 法務研究科長
下村 正明

2021年度入学式式辞(2021/4/2)

 今日から学び舎を共にすることになりました。皆さんを、心より歓迎いたします。
 歓迎はしますが、実務法曹養成教育機関として、皆さんを甘やかすわけにはいきません。司法試験合格だけが目標であるならば、いそいそと予備校に通い、そそくさと予備試験を経由すればよろしいのです。
 ならば、あえて法科大学院に進学する、2年も3年もかけて修了する、わざわざそんなめんどくさい道を歩む意味は、どこにあるのでしょうか。
 わが国は、戦争の惨禍を経て、自由と民主主義を奉ずる国家として再出発しました。日本国憲法前文は、つっこみどころ満載ですが、それでも、読むたびに魂を揺さぶるものがあります。この憲法が抱く自由民主主義体制こそが現在のわが国の国体であり、大きな犠牲を払って手にしたこの珠玉の国体を支えるのは、ほかでもなく、国家とその憲法秩序への国民の信頼です。
 ところが実際の世の中はどうですか。なんだかくすぶっているなぁというのが大臣の長男だというので大臣秘書官になり優良企業の役員になる、あるいは、自己破産したかと思えば首相の弟だというので有力企業の役員におさまる、カネとコネまみれではありませんか。そんなカネとコネがモノをいう世の中を、カネもコネももたない多くの民が支え続けようとするでしょうか。
 モノをいうべきは、カネとコネではなく、公平と公正です。自由民主主義体制への国民の信頼を持続させるには、社会のすみずみに公平公正の理念と営みがしみわたることが、必要不可欠です。その公平と公正を客観的に担保するシステムが、「法」です。
 自由民主主義体制を維持し、公平公正な社会を実現するために、「法」の担い手を育てること、これが、法科大学院の任務です。そのためには、個々の法律を、単に受験科目と見るのでなく、憲法を最高規範とする大きな法体系の中で有機的関連をもって理解し、自由と民主の価値観に導かれて公平と公正を実現する役割をみずからに引き受ける意思と能力を、皆さんに身につけてもらうことが、必要なのです。だから、時間もかかれば手間もかかるのです。法科大学院で学ぶことの意味がここにあることを、今日、皆さんとあらためて確認しておきたいと思います。
 とはいうものの、法の担い手として実務法曹たらんと欲する以上、皆さんには、やはり司法試験というハードルを越えてもらわねばなりません。小手先のスキルを真似るだけでは、スポーツの上達にも限界がありますね。確固たる体幹力を鍛え、これを基盤として種目に応じたスキルを身につけるからこそ、思いのままに手が動き足が動くというものでしょう。勉強も同じことです。そこで、関西大学法科大学院は、正課の授業カリキュラムにおいて実務法曹となるための基盤的能力を養いつつ、正課外プログラムである特別演習で、関大法曹会よりすぐりの若手弁護士の先生らのお力を借りて、受験のためのスキルを磨いてもらう、という態勢を敷いています。この態勢を、これからもますます研ぎ澄ませていきます。正課授業と特別演習、そのいずれを欠いても目標に達することはおよそ困難であることを、肝に銘じてください。
 皆さんのこれからの数年間は、決して安楽な時間ではありません。勉強は、常に順調に前に進むものではないからです。3歩進んで2歩下がるどころか、3歩進んだかと思えば10歩下がってやり直さねばならなくなるのも、ごくふつうのことです。難渋と停滞に、幾たびもあえぐことでしょう。そんななかで、いつになったら目的地に着くのかと、呆然自失の思いにとらわれることもあるかもしれません。
 ただそのときも、みなさんは、決して孤立してはいないことを忘れないで下さい。同期の仲間がいます。単位をとるコツをこっそり教えてくれる先輩たちもいます。もちろん、教員も、みなさんのすぐ近くにいます。助けを求めてください。助けを求められて断るような、ひとでなしの教員は、わたし以外には、いません。たしかに困難な道ですが、幸いなことに、道なき道ではありません。道を知る者が、正課授業と特別演習の両輪をバランスよく回して、みなさんが道に迷わないように、ひっぱっていきます。千里の道も一歩から始まるのだと信じて、手をはなさずについてきてください。道は、そこに、あるのです。問題は、できるかできないかではありません。やるかやらないかです。
 平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めるため、共にベストを尽くしましょう。

関西大学大学院 法務研究科長
下村 正明

経歴

大阪大学法学部卒業。大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得後退学。大阪学院大学法学部教授を経て、2007年度まで京都産業大学法科大学院教授。2008年関西大学法科大学院教授。2020年法務研究科長。

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