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「世界と日本が出会うまち 堺 2023」研究発表大会で、フィールドワーク部中等部チームが優秀賞受賞

 11月19日、堺市博物館・大阪大学歴史教育研究会主催の「世界と日本が出会うまち 堺2023」プロジェクトの研究発表大会が開催され、フィールドワーク部から中等部、高等部の2チームが出場しました。この大会は、コロナ禍の影響で3年間はオンライン開催を余儀なくされてきましたが、今年度は4年ぶりに大阪大学豊中キャンパス南部陽一郎ホールで対面発表による開催となりました。

 フィールドワーク部では、中等部、高等部それぞれ1チームが4月から研究テーマを決めて文献を集め、フィールドワークを通して検証・考察を重ねて研究成果を発表しました。その結果、この大会において中等部チームが優秀賞を受賞しました。これで2015年大会の初出場以来、8年連続でフィールドワーク部のチームが入賞を果たしたことになります。

 優秀賞に輝いた中等部チームは「三尾村からカナダへ渡った人々」というタイトルで、明治時代にカナダのブリティッシュ・コロンビア州に渡った和歌山県美浜町三尾(旧三尾村)の日本人移民について発表しました。

 研究のきっかけは中等部3年次に行くカナダのバンクーバーへの研修旅行でした。バンクーバーは多くの移民が集まる都市であり、日本からも多くの人々が渡っていたことを知り、深く調べてみようということになったのです。実際に美浜町を訪れ、カナダ移民の展示のあるカナダミュージアムで、カナダ帰りの両親を持つ三尾たかえ館長に1時間に及ぶインタビューを行い、移民の痕跡を求めて三尾地区のフィールドワークの成果をまとめました。なぜこの村の人は移住しなければならなかったのか、なぜカナダのブリティッシュ・コロンビア州へ渡ることになったのかについて明らかにし、太平洋戦争の影響でカナダの敵国人として移住した日本人が強制収容されたり、帰国せざるを得なかった歴史、カナダからの故郷の三尾村へ帰ってきた人々の生活などを丁寧に調査し、考察をしました。

 審査委員長の大阪大学教授 秋田茂先生の講評では、「丁寧な文献の調査とフィールドワークの成果がうまくかみ合った研究であった」と高く評価していただきました。表彰式でコメントを求められた中等部チームリーダーの3年高木敦仁さんは「これからもカナダへの移民となった日本人について継続研究をして、必ず来年の大会にも出場したい。」と力強く述べ、会場から大きな拍手をもらいました。

 高等部チームは、JR阪和線が、その前身である私鉄・阪和電気鉄道の時代(1930年代)に、天王寺駅から東和歌山駅間を当時日本一速いスピードで、超特急を運行させていたことに着目し、その当時、南海鉄道との熾烈な乗客競争を展開していたことが背景にあることを発表しました。残念ながら入賞には至りませんでしたが、フィールドワーク部の鉄道班が総力をあげて発表に臨み、まとまりのある成果を発表することができました。

 フィールドワーク部は、長期休業中や休日を利用してフィールドワークを行い、文献による調査結果をまとめてプレゼンテーションを行うという探究活動を今後も続けていきます。

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