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インタビュー:松木氏が語る理想の弁護士~交渉学で世界を平和に~

2015年1月26日

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■松木 俊明さんのご紹介
弁護士(アーカス総合法律事務所・パートナー)
関西大学大学院法務研究科法曹養成専攻(ロースクール)修了、平成22年司法試験合格(司法修習期新64期)。大阪弁護士会各委員会所属(交通事故委員会、医療委員会、犯罪被害者支援委員会、刑事弁護委員会、子どもの権利委員会)、関西大学大学院法務研究科法曹養成専攻(ロースクール)アカデミックアドバイザーなど、幅広くご活躍されています。

■インタビュー (取材&記事:関西大学社会学部3年 浦野亮太)
P1080186_500.jpg「交渉学を学べば、紛争のより良い解決法を探ることができます」。関大の卒業生である松木さんは、交渉学を生かして第一線で活躍する弁護士です。松木さんに大学の先輩、そして、社会人の先輩として、話を伺いました。

■弁護士を目指したきっかけ -交渉学との出会い
松木氏が弁護士を目指したのは大学3年生のとき。授業の一環で法廷傍聴のレポートを書くことになった。殺人事件の第1回公判。かけがえのない家族を失い激高する被害者の遺族と、被害者からの辛辣(しんらつ)な人格否定や嫌がらせで苦しんでいた被告人を目の当たりにする。

P1080204.jpg「何もできない自分が悔しかった。困っている人々を助けたい」。その日から司法試験に向けての猛勉強が始まった。明確な夢を持たないまま過ごしていた大学生活を断ち切り、妥協は許さなかった。
努力が実り、念願の弁護士となった松木氏。しかし、「法律には限界がある」と、再び自分の力の無さを痛感する。裁判沙汰になる紛争は、生活圏が近いなど裁判後も関係を持ち続ける間柄で起こることが多い。裁判を通じて法律上で白黒をつけることができても、判決後に禍根を残すケースは少なくない。法律だけでクライアント(依頼人)を救うことは困難だった。
この問題の解決策を模索するなかで、出会ったのが交渉学。対話によって合理的な紛争解決を目指す学問だ。アメリカなどの諸外国では広く普及しており、日本でも近年広がりを見ている。「お互いの背景や事情を踏まえ、ロジカルに思考し、エモーショナルな面にも目を向け、視野を広げていくことで、新たな提案や紛争解決への糸口が見つかる。」交渉学の学習を積み重ね、松木氏は自身の目指す最良の紛争解決へと近づいた。

■私たち大学生にとって・・・
sec_3.jpg実は私たち大学生も交渉に接触するシーンは多い。友だちとの売買、部活動・サークルの会議、バイトのシフト提出、合宿の予約。プレゼンも一種の交渉だ。ビジネスシーンに限らず、人との対話はすべて交渉の要素を含んでいる。
社会ではこのように交渉の場面が多い。そのため、交渉学で学んだことは日常から大いに活用することができる。「大学生はコミュニケーションで悩むことが多いが、交渉学で打開することができる。社会人になってもあるべき能力」と松木氏は語る。
「関大生は磨けば光る能力と目標を実現する行動力を持っている」。学生時代に思いを固め、能力を磨いて新たな境地を開いた松木氏。現在も、「交渉学によって世界中の紛争を解決したい」と成長する姿勢を持ち続けている。

■インタビューを終えての感想
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松木さん(写真中央)と、取材および記事を作成した浦野くん(写真右側)、写真撮影を担当した浜走くん(写真左側)のリラックスした様子。

◇インタビュー前からジョークが飛び出すなどとても親しみやすい人柄だった松木さん。インタビューの中でも普段私たちが関わることの少ない弁護士の世界や交渉学についてとてもわかりやすく解説してくださいました。しかし、法律の問題点や今後の課題の話になると、目つきが変わり、とても真剣な眼差しで思いを語る姿が印象的でした。松木さんのさらなる活躍を期待します。【関西大学社会学部3年 浦野亮太】

◇楽しくも学ぶことが多いインタビューでした。生き生きと交渉学を学ぶきっかけや学ぶことへの思い、そして自身のことを話していらっしゃる松木さんをみて、とても忙しくも充実した日々を送られているのだなと思い、また私自身交渉学に対してさらに関心が湧きました。【関西大学政策創造学部1年 浜走内記】