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6月27日開催「交渉学ワークショップ」学生レポート

2015年8月25日

本物同様の緊迫感の中、異物混入事件記者会見 学生3人

(記事:関西大学社会学部3年 福長英未)

0627-1.JPG関西大学、第2学舎3号館で、13:00~18:00の5時間、今回で2回目となる「交渉学ワークショップ」が開催されました。私自身も前回から数えて、2回目の参加です。今回は前回の経験を踏まえて、"模擬記者会見"に挑戦させていただきました。
模擬記者会見のケースは、異物混入の疑い事件を起こした、プレミアム・チョコレート株式会社の謝罪記者会見を行うという難解なものでした。私を含めた3名は、ワークショップの後半に参加者が行う、模擬記者会見の見本・参考になるべき前哨戦のような位置づけで、参加者の前で記者会見を行いました。3名は、代表取締役社長(金田有紗)と営業担当の取締役(松田昇子)、品質管理担当の取締役(福長英未)の役割を分担して登壇しました。
 
社長の謝罪会見後、質疑応答の時間が20分ほど取られました。新聞社、放送局の方々から、本物の記者会見同様の質問を受けました。時には、私たちを動揺させるような、挑発するような厳しい質問、発言もありました。

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準備をできる限りしたつもりだったのですが、穴だらけであったことを実感しました。予備知識の不足による、多くの想定が少なかったように思います。また、"異物混入の疑い"という企業の責任が問われ、説明の仕方によっては悪印意が持たれやすい状況の中で、どのように伝えることが良いのか、ボロボロな結果でしたが、もし次このような機会があれば、今回のことを思い出して、リベンジをしたいと思います。
記者会見終了後、新聞社や放送局の方々から「この一言をこのように言っていれば、印象はぐんっと良くなったと思う」、というようなご指摘をいただきました。相手の立場(今回で言えば、マスコミ側や消費者の方々など)の気持ちを思った「柔軟な対応」というのが必要であったのではないか、と思います。
参加者の代表として記者会見をさせていただいた経験は、自分たちの会社がこのような状況で記者会見をする場面がもしも将来あれば、役立ちます。また、日常の中でも、今回の記者会見のように、不利な状況での「状況説明」「解決策」などが求められたときに、話し方や考え方の幅が広くなってくると思います。このような機会を共に乗り越えた金田さん、松田さんに感謝すると同時に、この場を作ってくださった周りの先生方や関係者の方々に感謝しています。

2人の感想も紹介します。

<金田有紗(関西大学社会学部3年)>
私は、3月に東京で行われた交渉学の勉強会に参加させていただき、その時に代表記者会見のテーマについても勉強をしてきました。その時は模擬記者会見を社会人の方がされていたのですが、まさか今回自分が模擬記者会見をする側に立つとは思いませんでした。私は、今回の代表記者会見で、チョコレート製造会社の、パティシエ兼カリスマ社長という最重要ポジションを演じました。それゆえ、記者からの質問や意見はほぼ社長の私に向けられました。当日まで、たくさん準備をし、こう質問が来たらこう返そうと案を練っていたのですが、やはり本物の記者の方々が相手となると、力不足や準備不足を感じずにはいられませんでした。記者会見の中では一連の流れを持って話していても、新聞やテレビがどこを切り取って使うかは分からないので、一言一句に気を付けて発言しなければならないということも学びました。私が失言をしてしまった場面があり、後のフィードバックの時に「本当のテレビなら、あの場面だけ切り取って使われて、会社のイメージが悪くなるよ」と言われました。途中、言葉に詰まってしまう場面や苦しい場面も何度かありましたが、実際社会に出て、このように記者会見の練習をすることはないと考えると本当に貴重な経験だったと思います。今回学んだ社会人の方々の視野の広さや応用力を私も身につけていければと思います。

<松田昇子(関西大学政策創造学部3年)>
みなさんは、異物混入などの記者会見を見たときに、どのような印象を受けますか?
私は、謝罪している側に対してあまりいい印象を持ったことがなく、記者会見をそこまで真剣に見たことがありませんでした。しかし、今回、記者会見を体験できたことで、記者が取引先や消費者の代表として、企業と交渉する場所が記者会見だということに気がつきました。今回の交渉学では、実際に第一線で働いていらっしゃる記者の方々に質問していただきました。大学で生活していても、なかなか社会人の方と交流させていただく機会はないので、とても貴重な体験でした。私たちも本物の記者の方に質問をしてもらえると知り、何時間も準備をし、自信を持って本番に臨みました。しかし、本番では彼らの鋭い目や質問に圧倒され、社会の厳しさを目の当たりにしました。もっと交渉学を身につけなければならないと実感したと同時に、学生のうちにこのような体験をさせてもらえたことをありがたく思いました。このセミナーは学生をお客様としてではなく、1人の参加者として見てくれるので、社会人の方も真剣に私たちと関わってくださいます。そのため、学べることも多く、行く度に次の目標ができます。私は、これからも交渉学のセミナーに参加し続けて、学び続けたいと思います。