近世近代大阪の漢学・芸術研究班
近世近代大阪の漢学・芸術研究班
Chinese Studies and Art in Early Modern and Modern Osaka
研究テーマ
泊園書院を中心とする、近世近代大阪の社会・文化の研究
Research on the society and culture of early modern and modern Osaka, centered on Hakuen Shoin
研究期間
2025年4月1日~2027年3月31日(1期目)
研究班紹介

七香斎吟稿

小畑松坡弾琴
本研究班は「近世近代大阪の漢学・芸術研究班」と題し、泊園書院を中心とした、近世近代大阪の社会・文化の研究を推進する。泊園書院の歴代院主(藤澤東畡・南岳・黄鵠・黄坡)は大阪で漢学、特に徂徠学の継承・発展に多大な貢献をし、黄坡義弟の石濱純太郎は近代的な東洋学を創出した。
この泊園書院の歴史を研究・記述することは、近世近代大阪の社会史・文化史を研究・記述することに他ならない。特に、東畡が泊園書院を開いたのは江戸末期であり、江戸大阪の法制と社会体制において書院・漢学がどのように位置づけられるのか、この問題は依然として検討の余地がある。江戸期の徂徠学は、儒学という学問領域内で完結することなく、その時代の政治・法制・経済および文芸・芸術に積極的に作用したこと知られる。では、徂徠学を宗とする泊園書院は明治以降の近代化の過程で、どのような変貌を呈したのか、この問題についても社会史・文化史の視点から俯瞰的かつ具体的に探究しなければならない。
泊園書院は関西大学の学術のルーツの一つであり、その意味で関西大学の歴史を「近世近代大阪の学芸」という視点から研究・記述するために本研究を遂行する。
(写真上は、藤澤南岳『七香斎吟稿』。南岳の漢詩に近藤元粋ら大阪の漢学者が評言を記した。下は、大正15年11月4日の東皐心越禅師・鳥海雪堂追悼琴会。小畑松坡の弾琴の前に、藤澤黄坡が(『礼記』楽記の)子貢問楽篇を講じた)
メンバー紹介
主幹Chief Researcher 主干
長谷部 剛
Tsuyoshi HASEBE
长谷部 刚
文学部教授
Professor, Faculty of Letters
文学部教授