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2020年度文化庁長官表彰についてのお知らせ

2020年12月09日 東西学術研究所

この度、身体論研究班 非常勤研究員・富井玲子さんが2020年度文化庁長官表彰(カテゴリー:文化発信・国際交流-日本美術研究)を受けることとなりましたので、お知らせいたします。

文化庁長官表彰とは、文化活動に優れた成果を示し、我が国の文化の振興に貢献された方々や、日本文化の海外発信、国際文化交流に貢献された方々の功績が表彰されるものです。

富井さんは、永年にわたり、オーラルヒストリーやアーカイブを活用した調査研究、展覧会や学術誌への執筆活動などを通じて、米国をはじめ英語圏における戦後日本美術研究を牽引し、我が国の戦後美術の国際的な評価を高めることに多大な貢献をされたことが功績として認められました。

 

略歴

富井玲子(とみい・れいこ)

大阪市に生まれる。
国際現代美術センター(CICA)の上級研究員として草間彌生回顧展(1989年)の年譜・文献調査を担当。
1992年より無所属で活動し、2003年に、1945年以後の日本美術史研究をテーマにしたグローバルな学術メーリングリスト・グループ「ポンジャ現懇」を手塚美和子と設立。主宰としてイエール大学、ゲッティー研究所、UCLA、グッゲンハイム美術館、ミシガン大学、アジア・ソサエティ美術館、ニューヨーク大学、シカゴ大学などとシンポジウムやコンフェレンスを共同開催している。

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【主な業績】
戦後日本美術史を専門とし、60年代日本を基軸に「響きあい」と「繋がり」の概念を用い、複数のモダニズムを包括する世界美術史を「ボトムアップ」で構築する理論的方法論を提唱、実践している。
英文、和文で学術論文からカタログテキストまで多数出版。

日本語の学術論文では『美術史のパースペクティヴ』(鹿島出版会 1989年)、『美術史のスペクトルム―作品・言説・制度』(光琳社 1996年)、『うごくモノ―時間・空間・コンテクスト』(東京文化財研究所編、平凡社 2004年)、『戦後美術と美術批評』(美術評論家連盟編、ブリュッケ 2007年)などに寄稿。
ほかに1995年から『新美術新聞』に「現在通信 From New York」を連載している。

英語では、単著『荒野のラジカリズム―国際的同時性と日本の1960年代美術』をマサチューセッツ工科大学(MIT)出版会から出版、2017年度ロバート・マザーウェル出版賞を受賞した。
2019年、同書をもとに「荒野のラジカリズム―グローバル1960年代の日本のアーティスト」展をジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)で企画開催。
このほか主な共同企画展に『グローバル・コンセプチュアリズム』(クイーンズ美術館 1999年)、『センチュリー・シティー』(テート・モダン 2001年)、『シノハラ・ポップス!』(ニューヨーク州立大学付属ドースキー美術館)など。
学術論文や展覧会図録の英訳も手掛け、ミン・ティアンポ著『GUTAI:周縁からの挑戦』(三元社 2016年)では翻訳を監修した。

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