モノ探し行動の心理学
佐々木 土師二 著
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判 型 | A5判 |
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ページ | 146頁 |
定 価 | 1,540円(本体1,400円+税) |
ISBN | 978-4-87354-791-6 |
分類コード | C3011 |
刊行年月 | 2025年01月 |
「さがしもの」の行為をリスト化し体系づけてその状況要因を考察
日常的な「さがしもの」の行為を主体的探索と呪術(占い、まじない)利用の両面で総覧し、体系的に整理して進行状況を4段階で把握して、その機能的特徴を問題解決過程とした。関連する状況要因には実態的側面と心理的側面があり、その関係には探し手の認知が影響する。モノ探し行動は消費者行動の枠組みで理解される。
- 目 次
- はしがき
序章 「さがしもの(探し物)」と「モノ探し行動」
第1章 モノ探しの具体的行為
Ⅰ 「モノ探し行動」の具体的行為のリストアップ
1 モノ探しの具体的行為の収集
2 モノ探しの具体的行為のリストにもとづく若干の分析
3 「モノ探しの意欲の喚起・保持」に関する行為の分析
4 具体的行為のデータ収集でのインターネット利用の問題
Ⅱ モノ探しの行動モデル
1 モノ探しの行動モデルの作成の試み
2 「モノの探し方」を具体的に表す部分モデルの構成
3 「モノ探し行動」の全体モデル
Ⅲ モノ探し行為の心理学的分析への視点
第2章 モノ探しの呪術的方法
Ⅰ 「占い」と「まじない」
Ⅱ 呪術的方法に関するデータ
1 データ収集の方法
2 データの概要
Ⅲ 呪術的手法の分析
1 呪術的手法の具体的所作
2 呪術的手法の分類
Ⅳ 呪術的方法の利用について
1 呪術による問題解決
2 呪術利用の心理学的理解
第3章 進行過程としてみるモノ探し行動
Ⅰ 具体的行為で表す進行状況
1 具体的行為による流れ図を描く
2 インターネットの10サイトから収集した69行為の関連づけ
3 考察:モノ探しの進行過程について
Ⅱ ST ピラミッド型モデルで描くモノ探しの進行過程
1 モノ探しの“進行”の表現
2 モノ探しの進行に伴うSTピラミッド型の変化
3 ST ピラミッド型モデルの提案
Ⅲ 問題解決としてのモノ探しの過程
1 問題解決過程としての“モノ探し”のとらえ方
2 モノ探し行動のプロセス・モデル
3 モノ探し行動のプロセスのスタイル間比較
Ⅳ モノ探し行動を俯瞰する暫定モデル
1 心理学的理解の現在レベル
2 モノ探し行動に関する暫定モデル
3 4段階の行動的位相についての説明
4 暫定モデルの提案から生まれる問題
第4章 モノ探しにおける状況要因
Ⅰ 消費者行動における「状況要因」
1 消費者行動分析での状況要因への着目―筆者の場合
2 Belk,R.W.(1974)による状況要因に関する先駆的考察
Ⅱ モノ探し行動の「状況要因」に関する既述内容
1 モノ探し行動の外部要因と内部要因
2 モノ探しの「状況」に関する既述の構成内容の整理
Ⅲ 「状況要因」の概念と特徴
1 「状況要因」の概念について
2 モノ探し行動における「状況認識」
Ⅳ 「探索状況」での状況要因の構成内容
1 2方向からのアプローチ
2 基本的な次元の設定と2次元モデル
3 状況要因の構成内容の暫定的リスト
第5章 モノ探し行動の「効率」
Ⅰ 「コスト・パフォーマンス」という視点
Ⅱ モノ探し行動における「効率」
1 コスト・パフォーマンスの枠組みによる「効率」のとらえ方
2 モノ探し行動におけるコスト
Ⅲ 日常生活での行動コスト
1 モノ探し行動の経験的特徴と低コスト指向
2 日常生活行動でのコスト認識
終章 心理学的課題としてのモノ探し行動
Ⅰ 心理学研究への筆者の取り組み
1 矢田部達郎監修『心理學初歩』で学ぶ
2 筆者における心理学研究
3 「モノ探し行動」に関する小論の方法論的立場
Ⅱ 「モノ探し行動」の心理学的研究の展望
1 モノ探し行動に関する心理学的研究の枠組み
2 モノ探し行動の生活機能
3 データ収集の実証的方法について
あとがき/文献/索引