恭仁京と万葉歌
村田 右富実 著
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判 型 | A5判上製 |
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ページ | 320頁 |
定 価 | 3,410円(本体3,100円+税) |
ISBN | 978-4-87354-789-3 |
分類コード | C3095 |
刊行年月 | 2025年01月 |
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『万葉集』の歌を通じて恭仁京の興亡を活写する
奈良時代、平城京、恭仁京、紫香楽宮、難波宮を転々とした時期があった。『万葉集』にはこの時代の歌が約90首残っている。本書は、それらの万葉歌を、緻密な表現分析と歴史学の成果により、その時代に定位する。これまで恭仁京時代の万葉歌について正面から論じた書はほとんどない。今後の万葉研究における必読の書である。
- 目 次
- 凡例
はじめに
第一章 基礎的考察
第一節 恭仁京と『万葉集』
一 恭仁京遷都まで
二 恭仁京と家持
三 恭仁京
四 平城還都と恭仁廃都
五 むすびにかえて
第二節 家持と書持の贈答歌―本文校訂―
一 はじめに
二 先行研究
三 西本願寺本と廣瀬本
四 (甲)17・三九〇九番歌題詞下の「大伴宿祢書持」
五 (丙)17・三九一一番歌序文
六 (乙)17・三九一〇番歌左注
七 17・三九一一番歌の題詞(一)―鈴木論文Aを基に―
八 17・三九一一番歌の題詞(二)―類聚古集から―
九 17・三九一一番歌の題詞(三)―廣瀬本から―
十 むすびにかえて
第三節 家持と書持の贈答歌―17・三九一二番歌の改訓―
一 はじめに
二 何の心そ
三 玉貫く月
四 異訓の可能性―助詞「シ」の用法を中心に―
五 写本の状況
六 むすびにかえて―巻十七と類聚古集―
第四節 黒木の屋根
一 はじめに
二 4・七七九番歌の訓
三 板葺
四 黒木
五 板葺の黒木の屋根
六 建築物を意味する「屋根」
七 むすびにかえて
第五節 8・一六〇三番歌の左注
一 はじめに
二 諸本状況
三 年号と干支
四 むすびにかえて
第二章 恭仁京讃歌
第一節 境部老麻呂の恭仁京讃歌
一 はじめに
二 天平十三年(七四一)二月の恭仁京
三 山背の 恭仁の都は~秋されば 黄葉にほふ
四 帯ばせる 泉の川の~淀瀬には 浮橋渡し
五 あり通ひ 仕へ奉らむ 万代までに
六 反歌
七 むすび
第二節 福麻呂歌集所出の恭仁京讃歌
一 はじめに
二 先行研究
三 地名と制作時期
四 A群
五 B群長歌
六 B群反歌
七 A群とB群との関係
八 むすび
第三節 家持の恭仁京讃歌
一 はじめに
二 天平十五年(七四三)の恭仁京
三 家持の恭仁京讃歌
四 むすび
第三章 相聞往来
第一節 家持をめぐる相聞―大嬢に贈る歌―
一 はじめに
二 大嬢関係歌
三 非大嬢関係歌
四 大嬢に贈る歌
五 むすび
第二節 書持との贈答
一 はじめに
二 書持贈歌
三 家持和歌(一)―背景と時代状況―
四 家持和歌(二)―題詞と序文―
五 家持和歌(三)―第一首―
六 家持和歌(四)―第二首―
七 家持和歌(五)―第三首―
八 むすび
第三節 紀女郎との贈答
一 はじめに
二 先行研究
三 最初の贈答
四 更に贈る歌五首
五 むすび
第四章 廃都へ
第一節 安積皇子挽歌
一 はじめに―安積親王―
二 先行研究と訓
三 A群
四 B群
五 むすび
第二節 独り奈良の故宅に居りて作る歌
一 はじめに
二 校異と先行研究
三 題詞
四 第一首~第三首
五 第四首~第五首
六 第六首
七 むすび
第三節 甕原荒墟歌
一 はじめに
二 訓について
三 題詞
四 長歌
五 反歌
六 むすび
むすび
各論についての覚書
索引
あとがき