経済大国 日本の経営
豊かさのゆくえ
廣瀬 幹好 著
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判 型 | 四六判 |
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ページ | 240頁 |
定 価 | 1,870円(本体1,700円+税) |
ISBN | 978-4-87354-772-5 |
分類コード | C3034 |
刊行年月 | 2023年12月 |
ゆとりある生活実現に向けた日本型経営のあり方を問う
1980年代後半以降日本が経済大国を自認すると同時に、日本型経営の欧米に対する優越性を説く論調が勢いを得た。この自画自賛の経営論は、バブル崩壊に続く90年代後半以降、日本企業の競争力の低下とともに完全に鳴りを潜めて現在に至る。いま求められているのは、企業の競争力の説明論ではなく、人びとの生活を豊かにする経営論である。
- 目 次
- 第一章 「成功」の謎解き
1 背景
2 柔軟な職務
情報効率性/作業組織の柔軟性
3 人間尊重の経営
生産のヒューマンウェア/人本主義経営
4 自発と強制
自発性とは/自発性を生む構造
5 根なし草の経営論
第二章 経営と人間の尊厳
1 豊かさとは
2 経済成長と経営論
もはや「戦後」ではない/高度成長/金ぴかの80年代と「日本的経営」論/「戦後」はなお続いている
3 グローバリゼーションの中に
バブルの破裂と90年代/「日本型経営」が危い
4 経営の再生
日本の組織文化/組織文化の再生
第三章 経営機構改革と経営理念
1 台頭する拝金主義
2 経営機構改革の波
機関とは/経営機構―伝統的日本型と米国型/経営機構改革の波
3 米国型の経営機構
指名委員会等設置会社/A社の事例/米国型の選択状況
4 機構改革と経営理念
新日本型経営機構/米国型の影響/社外取締役の増加
5 経営理念をめぐって
第四章 経営者の役割
1 経営の視点
2 主権の所在
経営者主権論の提唱/株主主権の相対化/経営者の主権
3 会社それ自体とは
会社はモノか/企業価値とは/会社それ自体とは
補論 企業価値の再考
第五章 経営の未来
1 30年を経て
経済大国化と生活の豊かさ/働き方の改革
2 経営の未来
企業と社会/ゆとり社会への条件
補章 経営学研究の視点
1 経営学研究の現状
2 批判の経営学と実践性
3 指導原理としての規範の意義
4 規範の合理的根拠
5 政策の経営学
あとがき
索引