詩と哲学のあわい
宗教哲学・比較思想論攷
井上 克人 著
|
|
判 型 | A5判上製 |
---|---|
ページ | 514頁 |
定 価 | 6,270円(本体5,700円+税) |
ISBN | 978-4-87354-756-5 |
分類コード | C3010 |
刊行年月 | 2023年01月 |
人智を超えた超越的次元のものといかに関わり、思索し、表現するか
詩作と哲学的思索にはともに語りえざるものを語ろうとする営みがある。本書はそれを踏まえながら、宗教哲学と比較思想の視点に立って、日本文化の深層を探り、大燈国師・西田幾多郎・鈴木大拙に見る禅の本質に迫り、徳川期古学派の古典理解をドイツ解釈学に照らし合わせ、内藤湖南の歴史認識に見る哲学的傾向をも指摘する。
- 目 次
- はじめに
第一部 詩と哲学、そして宗教
第一章 日本文化の根底にあるもの
第二章 詩の言葉と宗教的超越性
第二部 仏教における思惟と真如
第一章 正中の宗論とその背景
第二章 ゴータマ・シッダールタの思惟 ─ 比較思想論から見た一考察 ─
第三章 西田哲学における禅思想の特質
第四章 「真如随縁」の相即論に関する一考察
第五章 鈴木大拙の思想へ/思想から ― 般若即非の真如観 ―
第三部 現代のキリスト教における世俗化の問題
第一章 ハヤトロギア・エヒイェロギア・オントロギア
── 新たなキリスト教倫理へ向けて ──
第二章 現代のキリスト教における世俗化とケノーシスの問題 ─ 一つの覚書 ─
第四部 東アジア圏の文化交渉の軌跡
第一章 内藤湖南と近代の〈知〉
第二章 内藤湖南の歴史認識における哲学的背景
第三章 東アジア圏における〈もの〉と〈自然〉─ 東西比較思想的視点から ─
第四章 近世日本における古典籍理解の解釈学的問題
─ 伊藤仁斎・荻生徂徠・本居宣長・富永仲基をめぐって ─
第五部 道元禅に寄せて
第一章 絶対帰依の表現 ─ 道元禅と親鸞の他力思想 ─
第二章 道元と近代日本の哲学者 ─ 道は無窮なり ─
第三章 時の荘厳 ─ 道元の存在観 ─
第四章 道元の〈悟り〉─ 非人情への覚悟 ─
第五章 道元の哲学思想
第六部 拾遺 ─ 折々の随想から
1 風に寄せて
2 「即物具象」の淵源にさかのぼる ─「格物致知」と芭蕉の精神 ─
3 芭蕉の境涯
4 『藤沢恒夫句集』のこと
5 〈青〉をめぐる断想
貫く棒の如きもの ─ あとがきにかえて ─