西ヨーロッパ・キリスト教民主主義の研究
土倉 莞爾 著
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判 型 | A5判 |
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ページ | 454頁 |
定 価 | 4,070円(本体3,700円+税) |
ISBN | 978-4-87354-734-3 |
分類コード | C3031 |
刊行年月 | 2021年03月 |
本書はフランスを中心として、西ヨーロッパのキリスト教民主主義の歴史をたどる研究書である。
キリスト教民主主義政党は第二次世界大戦直後に、西ヨーロッパの多くの国で隆盛を極めたが,1970年代頃から衰微していった。本書の問題意識はそこにある。「キリスト教民主主義」はどうして終わったのだろうか?
- 目 次
- まえがき
Ⅰ 概観
第1章 フランスキリスト教民主主義とは何であったのか
1 宗教対イデオロギー
2 フランスキリスト教民主主義の始源
3 イデオロギー上の革新としてのキリスト教民主主義―ヤン・ヴェルナー・ミュラーに即して―
4 戦後西ヨーロッパ政治におけるキリスト教民主主義
5 フランスキリスト教民主主義とは何であったのか
第2章 ヨーロッパキリスト教民主主義試論
1 第2次世界大戦前のキリスト教民主主義
2 ヨーロッパの宗教と政治
3 宗教と民主主義の反目
4 政治社会と宗教―ベルギーを例として―
第3章 キリスト教民主主義とコーポラティズム―1930年代ヨーロッパ比較政治の一側面―
1 キリスト教民主主義に内在するコーポラティズム
2 イタリアとオーストリアのコーポラティズム
3 ポルトガルとベルギーのコーポラティズム
4 ドイツのコーポラティズム
Ⅱ フランスのキリスト教民主主義
第4章 キリスト教民主主義の全盛と衰退―第2次世界大戦後の比較政治史的考察―
はじめに
1 第2次世界大戦後のキリスト教民主主義
2 キリスト教民主主義と政治
3 ヨーロッパ統合の芽生え
おわりに
第5章 冷戦から冷戦後へのフランスキリスト教民主主義―MRPからUDFへ―
はじめに
1 MRPの生誕
2 MRPとは何か
3 ヨーロッパ統合とMRP
4 第4共和制のMRP
5 第5共和制のMRP
第6章 フランスにおけるカトリシズムとデモクラシーの間
はじめに
1 カトリシズムとライシテの対抗
2 『シャルリ・エブド』襲撃テロ事件について
Ⅲ 西ヨーロッパのキリスト教民主主義
第7章 ベルギーのキリスト教民主主義―戦中から戦後への変容―
はじめに
1 起源と発展―コーポラティズムに即して―
2 カトリシズムとファシズム―Rex運動小論―
3 第2次世界大戦後のキリスト教民主主義政党の形成
4 分裂し侵食されるキリスト教民主主義
第8章 ドイツキリスト教民主主義政治史試論
1 19世紀のドイツカトリシズム
2 ドイツ帝国における中央党の役割
3 ヴァイマル共和制と中央党
4 ヴァイマル共和制の崩壊と中央党の解散
5 第2次世界大戦後のドイツキリスト教民主主義
第9章 イタリア政治史におけるカトリシズム試論
まえがき
1 統一国家の否認とカトリシズム
2 統一国家との和解とカトリシズム
3 イタリアにおける国家と教会
4 イタリア「第1 共和制」とキリスト教民主党
5 イタリア・キリスト教民主党の崩壊
Ⅳ アベ・ルミールの生涯とフランス第3共和制
第10章 アベ・ルミールとフランスキリスト教民主主義
はじめに
1 ルミールの若き日々
2 キリスト教民主主義のほうへ
3 田舎の世界・カトリック・1893年選挙
Ⅴ 書評(補論)
第11章 書評:中山洋平 著『戦後フランス政治の実験 第四共和制と「組織政党」1944‑1952 年』(東京大学出版会,2002年)
1 序にかえて
2 概観
3 著者の他著からの考察
4 いくつかの問題点
注/あとがき/参考文献/索引