関西大学出版部

カートを見る

ドイツの文芸検閲史 

ディーター・ブロイアー 著
浜本 隆志 
宇佐美 幸彦 
芳原 政弘 共訳
判 型 A5判上製
ページ 404頁
定 価 5,500(本体5,000円+税)
ISBN 4-87354-218-9
分類コード C3098
刊行年月 1997年06月
品切れ

神聖ローマ帝国から東西ドイツ時代までの、およそ600年間にわたる検閲史は、作家と当局との葛藤の歴史のみならず、各時代における政治的・社会的状況、出版メディアの変遷と当局の法的規制の関係などを映し出す。したがって本書は、文学史のみならず、社会思想史、法制史、ドイツ史の研究にも大いに寄与するものである。

目 次
目次:
1 神聖ローマ帝国における検閲法の起源  2 ロイヒリーンと反人文主義者たち  3 一六世紀における検閲の展開  4 宗派側による非公式の検閲  5 再洗礼派の迫害  6 詩人たちの統制化―ザックスとファインアウク  7 初期近代国家の始まり―バイエルンにおける検閲  8 検閲を正当化するための論文  9 絶対主義的国家学における検閲  10 旅回り劇団と検閲  11 抵抗作家―ヤーコブ・バルデ  12 おかど違いの権力者をほめたハルスデルファーの事例  13 ヴィルヘルム大選帝侯に抵抗したパウル・ゲールハルト  14 シュレージエンの神秘主義者たちに対する検閲  15 火刑に処せられたクヴィリン・クールマン  16 文学的風刺文書―大学生クリスティアン・ロイターの場合  17 一八世紀の検閲  18 プロイセンにおける検閲と寛容―各人にその人相応のものを  19 オーストリアにおける啓蒙的検閲  20 ヴィーラントの目に映ったマインツ選帝侯国  21 バイエルン選帝侯国と二〇八ニ年のミュンヒェン  22 ケルン選帝侯国のオイロギウス・シュナイダー  23 ヴュルテンベルクのシューバルトの事例  24 まとめ―レッシング、ゲーテ、シラー  25 一九世紀の検閲―ナポレオン時代と「カールスバートの決議」  26 青年ドイツ派に敵対するドイツ連邦  27 オーストリアの検閲―ネストロイ  28 ゲオルク・ビューヒナー  29 検閲に対する抵抗と一八四八年の三月革命  30 一八四八年以後の劇場検閲  31 ヴィルヘルム時代の検閲―自然主義者とグリメルスハウゼン、ヴィルヘルム・ブッシュ  32 パニッツァ、ヴェーデキント、トーマ  33 シュテルンハイム  34 第一次世界大戦中の検閲  35 ワイマル共和国における検閲  36 ヒトラー国家における検閲  37 戦後期の検閲  38 ドイツ民主共和国(東ドイツ)における検閲―ブレヒトからビーアマンへ  39 ドイツ連邦共和国(西ドイツ)における検閲  40 レンヒェン村長(グリメルスハウゼン)の暫定的結語